サイトデザインから考えるキャッチコピーと評価(★)の重要性
今回は、誰もがその重要性を説くキャッチコピーについて、私の見解を書きたいと思います。
「キャッチコピーが重要だ」
本エッセイのコメントでも何件か同様のアドバイスを頂いております。一応、勘違いされているかもしれないので断っておきますが、私はキャッチコピーを軽視していません。最重要項目だと思っています。
今まで、キャッチコピーに関する考察を行っていなかったので、そう思われてしまったのかもしれません。というわけで今回は、キャッチコピーの重要性について考察していきたいと思います。
さて。
キャッチコピーが重要であることは、カクヨムを使い始めて比較的早い段階で、誰に教わるわけでもなくわかっていました。
なぜか?
サイトのデザインがそう主張していたからです。
とはいえこれ、自慢げに語るほどのものではなく、誰しも直感的にわかることではあると思います。言葉にして説明するのが難しいってだけで。
先に断っておくと私は、WEBデザインの専門家ではありません。
趣味で簡単なホームページを作ったことがある程度の人間です。それでも、ホームページのデザインから読み取れるものはあります。
例えば、ホームページって昔から、メインコテンツへのリンクをページの上部か、左側へ配置するのが定石なんですよ。これ何でかっていうと、人の視点は左から右へ。そして上から下へ流れていく。つまり、自然と目が向けられるのは、サイトの上部、及び、左側となるので、そこにメインコテンツを置いておけば、利用者が勝手に見つけてくれるというわけです。(ページの右側や下部にメインコンテンツを置いているサイトなんて見たことがないでしょう?)
昔はどちらか片方だけでしたが、今では上部と左側の両方に配置するサイトが多いようですね。ちなみに、カクヨムもこれです。調べたところによるとFの法則と呼ばれる視線誘導の技術が使われているらしいです。
試しに、カクヨムのトップページを開いて確認してみてください。
カクヨムというサイト名が左上に置かれ、ページ上部にはカクヨムを代表する各サービスが並んでいます。そして左側には「小説を探す」という読者の手助けとなるカクヨムのメインコンテンツが並んでいます。
対して、ページ右側に表示されている累計ランキングにはなかなか視線が向きません。心理的な死角となっています。
このように重要なものほど上部・左側へ配置するのが定石です。例えば、レビューと新着が並んでいて、レビューが左側にあるのは、レビューの方へ意識を向けたいから。つまり、カクヨム運営さんは新着小説よりも、レビューを重要視していると解釈することができます。
では、みなさんに質問です。
カクヨムのトップページ、目立つところには他に何があるでしょうか?
画面をスクロールすることなく目に飛び込んでくるそれは何でしょうか?
そうです。注目の作品です。
ここに注目の作品が置かれている意味はすごく大きいです。カクヨム運営さんは、注目の作品を見て貰えるように、意図的にサイトをデザインしています。言い換えれば、ランキングよりも重要視している。
注目の作品に掲載される条件は、
①前日に一つ以上★がついた作品であること。
②一週間以内に更新された作品であること。
以上の二点です。
注目の作品の表示は、完全にランダムであるため、掲載されるチャンスはランカーも底辺も等しくあり、公平です。
また、注目の作品を構成する重要な要素は四つあります。
①キャッチコピー
②タイトル
③★の数
④ジャンル
人の視点は、左から右へ。そして上から下へ動きますから、目に留まるのもこの順番です。つまり、一番最初に目に飛び込んでくるのはキャッチコピー、次にタイトル、そして★、ジャンルとなります。
しかもキャッチコピーは色つきですから相当に目立つ。試しに、何も考えずに目を走らせてみてください。自然と目に止まるのはキャッチコピーではありませんか?
はっきり言って、キャッチコピーで興味を引かれなければタイトルを見ようという気にさえなりません。そしてそれは、おそらく他の人も同じはず。
もはや、キャッチコピーが最重要項目であることは明白ですね。
小説家になろうではタイトルが最重要でしたが、カクヨムではキャッチコピーが最重要である。これは間違いないと思います。タイトルよりもキャッチコピーに時間を割くべきなのでしょう。
つまり、
キャッチコピー >> タイトル > あらすじ > タグ
と、こんな感じになるでしょうか。
ですが!
これはあくまで注目の作品に限った話です。
ランキングではキャッチコピーとタイトルの関係が逆転します。
なぜか?
サイトのデザインがそうなっているからです。
大事なことなのでもう一度言いますね。
人の視点は、左から右へ。そして上から下へ流れていきます。これが基本。
しかるに、ランキングを開いた時に真っ先に目に飛び込んでくるのは、タイトルです。そして次にキャッチコピー、あらすじ、★の数、ジャンルとなります。
人によっては、タイトル、あらすじ、キャッチコピーと遷移するかもしれません。
しかも、ランキング上でのタイトルは途中で省略されることなく全文が載ります。
注目の作品ではキャッチコピーで興味を引く必要がありましたが、ランキング(検索)画面ではそれが逆転するのです。不思議ですね。
もちろん、人によってはキャッチコピーから見る人もいるでしょう。右上に視点を固定して、意図的にキャッチコピーだけを縦に読む人もいるかと思います。しかし、それはあくまで例外の話。玄人向けの見方です。
普通の人はそういうイレギュラーなムーブをしません。特にカクヨムを使い始めたばかりの新参者や、ライトユーザーは、サイトデザインの誘導に素直に従います。そしてこちらが大衆側です。(ライトユーザーが一番のボリューム層だと思いますし、加えて、近年ではカクヨム参入者が急増しているとも聞きます)
つまり、ランカーと戦うつもりなら、キャッチコピーに負けないぐらいタイトルも重要だということです。
というわけで。最終的な私の評価は以下です。
キャッチコピー > タイトル > あらすじ > タグ
なお、私が底辺作者であることを加味して、キャッチコピーの方が重要という位置付けにしました。
※1 タイトルが重要になるのはランキングにINした後。
※2 カクヨムの売りは注目の作品なので、やはりキャッチコピーの方が重要度が高い。
……
…………
………………
と、終わろうかとも思ったのですが。
以前、★よりもフォローの方が大事だよ、という指摘を受けたことを思い出しました。(確か、古参の方は★よりもフォローを重視するという内容だったはずです)
小説家になろうでは、ブックマーク(フォロー)基準で作品の良し悪しが語られます。当然、私もブックマークを基準に他の作品をみていました。
しかし、カクヨムでは一転、★を基準に作品の良し悪しをみてしまっていました。それも無意識のうちに。(コメントで指摘されるまで気付きませんでした)
なぜか?
サイトのデザインがそうなっていたからです。
注目の作品で表示されているのは、フォロー数ではなく★です。
ランキングで表示されているのも★です。
作品のトップページで目立つ形で表示されているのも★です。フォロー数は目立たないように小さくあるだけ。
つまり、カクヨムの運営さんは、意図的に★を基準としたサイトデザインにしているのです。
まとめると。
カクヨムは★を重要視している。
※もしもフォローを重要視している場合、注目の作品やランキングで表示されているのは★ではなく、フォロー数でなければならない。
もちろん、偶然★が表示されている、なんてことはありませんよ。これは意図的に、狙ってデザインしているのです。
そしてまんまとその誘導に引っ掛かったのが、私だったというわけ。
これは、私と同じ新参者やライトユーザーも同様の傾向にあると考えられます。玄人(古参)の方はフォロー基準で見ているのでしょうが、大衆側は★基準で見ているということです。(※ここの認識がとても重要です)
また、「★>フォロー」となるのは読み合い企画の相互だから逆効果という意見を色々なところで目にします。確かに、ブックマーク基準で育った私の感覚からしても、その意見には強く同意できます。というか、小説家になろう時代は私も同じ考えを持っていました。
しかし、ライトユーザー(大衆)はそこまで見ていません。単純に★の数だけを見ています。なぜなら、サイトデザインがそうなっているから。私がそうであったように、知らず知らずのうちに誘導されてしまうのです。
読者には二種類います。
①自分が面白そうだと思った小説は評価の有無に関わらず読む人。
②興味を引かれた小説の評価を見て、高かったら面白いと判断して読む人。
読み合い企画による★のつけ合いですが、②の読者を引っ張り込める可能性があるので、一定の効果はあると思います。もちろん、玄人の方から敬遠されるというデメリットはありますが、大衆を呼び込めるメリットは無視できません。(人口比率は大衆>>玄人 となるはずなので)
※1:足切りラインの★がいくつなのかは読者ごとに異なるので、★が多ければ多いほど読んでもらえる確率は上がるでしょう。
※2:そもそも、キャッチコピーが魅力的でなければ、★の数は参照されません。あくまでキャッチコピーで興味を引いた後に、★が参照されるのです。
※3:キャッチコピーが逸材かつ、内容が面白い場合、①の読者を引き込んだ上で★が増えていき、雪だるま式に②の読者も引き込めます。最終到達地点は同じなので、実力があるなら小細工は必要ないでしょう。
おそらく、玄人の方にとっては、納得のいかない結論だったのではないでしょうか。感情の面で、強い抵抗を感じていることと思います。私も長らく小説家になろうで活動する中で、相互評価には嫌悪感を抱いてきたので、その気持ちはわかります。評価とは本来、面白いと思った作品につけられるべきものだからです。
しかし、サイトデザインという観点からみた場合、ライトユーザーが見ているのは★である可能性が極めて高く、このような結論に至りました。
また相互評価に関してですが、カクヨムを利用するようになって心理的な面で大分緩和されました。というのも、しっかり読んでコメントをしてくれた人には、自然とお返ししたいという気持ちが生まれるんですよね。そして読み返しにいって評価したら、傍から見れば相互評価に見えるでしょう。
もちろん、読みもしないでお返しで評価(★)をつけるのは駄目ですよ。それは規約違反ですし、なにより、先方に対してとても失礼です。恩を仇で返すことになってしまいます。絶対にやめましょう。
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