自作品を客観視してみる

 前書き

 エッセイのランキングに入っていたので見に行ってみたら、私の作品だけ周囲から浮いていた……明らかに、異質な何かを発していました。


 仕方なく、創作論へジャンルを変更することに。

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 さて、カクヨムを利用するにつれて、自作品「少女に抱かれて行く異世界の旅」の問題点がうっすらと見えてきたと、前回お伝えしました。


 まずカクヨムがデータを解析する上で優れているのは、PVの推移が一目でわかるところにあります。例えば、


 プロローグ:とある日の日常風景 PV113

 第1話:モフモフの魔物     PV78

 第2話:モフモフと少女と出会い PV58

 第3話:モフモフと夕飯     PV50

 第4話:モフモフと冒険者    PV42


 …………


 第20話:モフモフとお風呂   PV13


 20話までの脱落率が9割あります。すでにやばいですが、実はこれはさほど問題には思っていません。


 というのも、「サイトごとの特色」でも触れたとおり、カクヨムは男性読者が多いため、この手の話が好まれないことは事前に予想できていました。その上、小説家になろうに連載していた当時でさえ、人を選ぶ内容だということは十分に認識していました。ですが、強烈なブラバ要素を抱えている割には、フォロー率自体はランキング作品と比べて、そこまで悪くなかったはずです。


 ※補足 勘違いされてしまわないように

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 序盤のブラバ率を減らすことは重要であり、本当は気にしなければならない問題です。PVがガクッと下がった一つ前のエピソードは、読者が読むに堪えないと投げ出したポイントでありますので、何が駄目だったのかを検討する一つの指標になります。が、今回はそれを承知の上で、あえてスルーしています。もっと大きな根本的な問題があるからです。

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 真なる問題は、任意のタイミングで評価をもらうことができなかった点にこそあります。小説家になろうは日間ランキングがメインですので、1日でまとまった評価が入らないとランクインすることができないのです。


 私は本編完結のタイミングでこのまとまった評価を狙っていた訳ですが、狙いは見事に外れてしまいました。


 それはなぜか?


 その問いに対する答えは、薄っすらと曖昧な輪郭として頭の片隅にありましたが、長年にわたって確信が持てないままでいました。


 しかし、カクヨムを利用したことによって、おぼろげだった輪郭がはっきりと見えるようになり、確信に至りました。


 評価が入るタイミングには明確な傾向があったのです。評価が入ったタイミングを観察すると、ある事実が浮かび上がります。


 ①評価の多くは序盤でつけられた。

 ②しばらく評価がつかない状態が続き、番外編に入ってから再び評価がついた。


 この傾向は小説家になろうでも同じだったと記憶しています。序盤は評価がつき感想も頂くことができ、順調な滑り出しでした。しかし、物語が進むにつれて感想はなくなり、評価もつかなくなりました。ただフォローだけが静かに増えていきました。


 つまり、序盤は成功しており、中盤から終盤にかけて失敗しているということ。


 22話で評価を頂けたのは覚えているので、特に失敗しているのは23話~エピローグまでの区間となるでしょう。


 心当たりがあります。

 私は物語のラストシーンを決めてから小説を書き始めます。

 中盤を過ぎたその辺りから、ラストシーンへ向けて話をまとめようとし始めました。悪くいえば、ラストシーンへの気持ちが焦るばかり、展開を急いでしまった。


「少女に抱かれて行く異世界の旅」は序盤こそスロースタートで強烈なブラバポイントを抱えていますが、そこを乗り越えた読者さんたちは、まったりした雰囲気を気に入ってくれた人たちです。ですが、展開を急ぐあまり、そのまったりした雰囲気をぶち壊してしまったのではないかと、今となっては思うのです。


 つまり、別の言い方をすれば、読者の期待を裏切ってしまった。

 期待を裏切られた読者さんはガッカリしたことでしょう。そして、期待を裏切られた状態が続けば、評価をしようなどとは思えなくなるはずです。


 だから私は、本編完結時に評価をもらうことができなかった。


 そして番外編において、読者の期待するまったりした展開が戻ってきた。だから番外編で再び評価をもらうことができたのではないでしょうか。


 とはいえ、すでに過ぎてしまったことは仕方がありません。

 大事なのは次にこの失敗を繰り返さないようにすることです。


 しかし、読者も十人十色。みんながみんな同じ意見ではありません。

 ましてや私は作者側の人間ですので、読者が何を期待しているのか想像することしかできず、その期待を正しく理解することは極めて困難です。


 ですが、ある程度ならコントロールできるはずです。

 それは数多の小説指南書で口が酸っぱくなるほど言われている、


「タイトルとあらすじ」


 です!

 カクヨムの場合はここにキャッチコピーが入るでしょうか。


 どういうことかというと、読者はタイトルとあらすじを読んで、その中に琴線きんせんに触れる何かがあるから読もうと思うわけです。その時点で、読者ごとに「これはこういう話なんじゃないか」と期待を持たれているはずなんです。


 つまり、読者が抱く期待のみなもとは我が手中にあるということ。


「少女に抱かれて行く異世界の旅」でいえば、タイトルとあらすじから期待されるのは可愛らしいモフモフと少女の二人旅ということになるでしょうか。序盤の展開もまさにそうなっています。なので、終盤の展開など考えずに、ただひたすら、かわいいモフモフと少女の二人旅を書き続ければ良かったのではないか、ということです。


 ここから学べる教訓としては、「タイトルとあらすじ」から一脱した内容にはしないほうが良いということ。逆に、タイトルとあらすじに沿った内容を書くように注力すれば、その期待から大きく乖離かいりはしないだろうということ。


 ※これはあくまで仮説であり、見当はずれのことを言っている可能性があります。


 そんなわけで。

 次回は、この仮説を元に、タイトルとあらすじについて考えてみたいと思います。

 ではでは。

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