サイトごとの特色(小説家になろう、カクヨム、アルファポリス)

 第一章でも少し触れたサイトごとの特色をまとめたいと思います。


 サイトごとに好まれる作品傾向というものは存在します。

 中でも特に、好まれる作品傾向に強い影響を与えるのは、読者層の男女比率です。

 男性が多いとハイファンタジー系が強くなりますし、女性が多いと、悪役令嬢などの要素を含む恋愛ものが強くなります。


 そして、男性読者が多いか、女性読者が多いか、あるいはバランスが取れているかは、トップページのランキングに載っている作品の傾向から、おおよその見当をつけることができます。


 小説家になろう

 私が利用し始めた7~8年前は、異世界転生・転移ものが全盛期であり、圧倒的に男性読者が多かった。ランキングも異世界転生・転移ものであふれ、あまりにも強くそれ一色になってしまったため、トップページのジャンル別ランキングから隔離されたほどでした。


 しかし、その隔離が仇となったのか、いつの間にか女性向け作品が上位を占めるようになり、男性読者は減りつつあるようです。減っているとする根拠は、男性向けメインであるハイファンタジーのポイントが、ここ最近伸び悩んでいるから。昔は5000ポイント、6000ポイントという数字が叩き出されていたはずなのですが、最近では1位の作品でさえ2000ポイント台で停滞するという異常事態となっているのです。つまりポイントだけに注目して見た場合、半減している計算になります。


 小説家になろうでは「女性の方が気に入った作品に積極的にポイントを入れる傾向にある」と、昔からよく言われてきました。要するに応援したい作品に、女性の方が積極的に働きかけていった結果、ランキングには女性向け作品が多く掲載されるようになり、男性向け作品が埋もれ、今のような状況が出来上がったのではないかと推測されるのです。


 カクヨム

 ランキングを参照してみたところ、どうやら男性向け作品が圧倒的に強いようです。中でも異世界ファンタジーが圧倒的であり、次点でラブコメが人気なのでしょうか。軽く目を通した限り、ラブコメも男性向けの内容が多いようでした。


 なろうで人気の悪役令嬢、婚約破棄系のタイトルが少ないことからも、女性読者は少ないのだろうと推測できます。

 ※サイトごとの流行りもあるので、あくまで参考程度であることをご留意いただきたい。


 アルファポリス

 アルファポリスには男性向けのHOTランキングと女性向けのHOTランキングがあります。単純なポイント制でなく、独自の仕様――読まれたページ数、もしくは文字数などによって判定されているらしい――によってランキングが決まるため、ポイントだけを見て語ることはできません。しかし、比較対象がポイントしかないので、あえてポイントで比較してみると、ランクインするボーダーが男性向けと比べて女性向けは十倍近い倍率となっている。


 つまり、女性読者が圧倒的に多い。


 実際、婚約破棄、悪役令嬢、ざまぁ、令嬢系のドロドロした話がランキング上位を占めているようです。


 筆者の体感でいうと、小説家になろうが男女比「4:6、もしくは3:7」なのに対して、アルファポリスは「1:9」ぐらいのイメージがあります。


 総評

 まとめると、男性読者、女性読者がバランス良く分布しているサイトは、残念ながらないということになります。昔のある一時点の小説家になろうに限っていえば、バランスが良かった時代はあったと思います。が、覆水盆に返らず。一度傾いてしまったシーソーは、地面に接地するまでその動きを止められないのかもしれません。




 さて、第一章でも少し触れた、私の作品「少女に抱かれて行く異世界の旅」がカクヨムで相手にされない理由について、私見を述べておきたいと思います。


 同作品は、特に男性向け、女性向けという意識をもって書いたわけではありません。かわいいモフモフに癒されるシーンを想像しながら執筆し、モフモフ好きをターゲットにしたつもりでした。


 ただどうやら、小説家になろうで感想を下さった方、評価を下さった方、そしてユーザーフォローをしてくださった方を見てみると、女性が多いようだとわかります。


 つまり、意図せずして女性向けの作品になっているということです。

 男性読者の多いカクヨムでPVが振るわないのも、この辺りに原因があるのかもしれませんね。

(女性が圧倒的多数を占めるアルファポリスではランクインすることができたのも、その証左かと思います)


 というわけで、サイトごとの傾向を分析した結果、カクヨムでの投稿は、


「男性向けの作品を意識するべき」


 という結論に達しました。

 言い換えれば、


「男性が好む要素を積極的に取り入れるべき」


 とも表現することができます。


 私はそういう要素を露骨に入れるのが好きではないのですが、この課題については真剣に取り組む必要がありそうです。


 それでは、今回はこの辺で。ではでは。

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