第2話 社会の窓【若干下ネタ?】
私は自身のクローゼットの事を『社会の窓』と名付けている。
……社会の窓並に人に見せられない惨状だからだ。
これは、夜寝る前の出来事。
・ ・ ・
我が家では、エアコン代節約の為、全員が1箇所に固まって眠っている。
21時頃をまわると、就寝の為、母と妹(小4)が2階へとやって来る。
母「……ちょっと~
そのクローゼット汚ったない!
なんでそんな中途半端に開いてんの」
私「あ~それ?
社会の窓って名前だから。」
と、そこまでは何の変哲もない会話だったのだが。
ふいに、妹が母に尋ねた。
「ねぇねぇ、『社会の窓』ってなーに??」
ズボンのチャックが空いてることだよー、と母は答える。
妹はまた質問する。
「なんでズボンって前にチャックあるのー?」
―――母曰く、ズボンのチャックは、男性が小便をする時にアレを出せるように付いているのだそう。
話を聞けば、男性のパンツにもアレを出しやすい様、布に穴が空いているとか、、、
私は絶望した。
今まで、ズボンを発明した人が後世に語り継ごうと何らかの意図を込めて制作した物だと思っていたチャックが、まさか。
ただの利便性の為だけの物だったなんて。
あの美しいズボンのチャックから、男性のアレが、ただ己の尿意を満たすために何の考えも無く覗く姿を想像すると涙が出そうだった。
いつか、誰かがあのチャックの魅力に気づいてほしい。
ただそれだけの話。
そして、そういったちょっとアレな話をぺらぺらと話す我が母も、面白い人間の一人である。
普通の高校生が愛すべき愉快な人達と出会うだけの話。 猫野 おむすび @omusubimgmg
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