第2話
目が覚めるとそこには見知らぬ天井が広がっていた。
カーテンの向こう側からは女の人と男の人の会話が聞こえてくる。
「娘さん…
周りを見てそこが病院の一室であることに私は気づく。それと同時にいつもの疑問を口にする。
「もしかして、私また倒れてた?」
目を覚ました私を見た母親は安堵しながら質問に答える。
「いつもみたいに貴方の部屋の床で倒れてたよ。何度も見ているとはいえ心配するんだから。」
と少し呆れた様子だ。
倒れるといっても何か重い病気があるのかといえばそういう訳ではなく、お医者様曰く私は健康体であり何故そんなにすぐに倒れてしまうのか検討もつかないらしい。
私が何度も倒れてしまうその理由、それは誰にも分からないものだった。…ただ1人私を除いて。
私にはもう1人の私がいる。それは多重人格ではなく、クローンのようなドッペルゲンガーのような…。
誰かに話しても信じてもらえないだろうし、最悪の場合何かの研究対象にされるかもしれないし。
今回私が倒れた原因ももう1人の
そんなことを考えているとお医者様と母の会話が終わりいつものようにすぐに退院する流れとなった。
お医者様に挨拶をし、学校にも行かなきゃいけないのに大変だね。なんてお母さんと話しながら私たちは帰路に着く。
…私はいつまで私のままでいられるのかな…。
死して紡ぐ想いは誰がために 秦 結希 @yuzukikokoro
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