第12話

「ヒビキはこの部屋でまっていてくださーい。今最初の面談探索者パーティーである疾風を呼んできまーす」


私は高級感のあふれる部屋に一人にされた。こんな部屋を用意していることに驚きながらも机の上に用意されているお茶をすする。


数分後、ミーシャ先生は5人の男女を連れてきた。その中には私より年下と思われる双子の少年少女もいる。そのことに私は本心で驚いた。


それが顔に出ていたのであろう。ミーシャ先生は私の顔を見て微笑んでいる。


「すみません。ヒビキはダンジョンに全く詳しくないのです。少しは私が説明しましたので簡単な内容であれば問題ありませんが難しい内容は私が説明を挟むか、そちらで説明をお願いしまーす」


すると、相手の探索者パーティーである疾風のリーダーである一郎。細マッチョの男性が了解の意を示した。


その時に、私を含めて全員が立っていたためとりあえず着席を促す。するとミーシャ先生を筆頭に皆、ソファへ座りだした。


その後、ミーシャ先生がその場を取り仕切ると思っていたのだが一番にお茶菓子に手をだして傍観を決めだした。


その光景に疾風のメンバーは苦笑いしており、私は何を話したらいいのか分からずおどおどしていた。


そんな空気に双子が耐えきれなくなり笑い出す。それで私は緊張がほぐれた。


「では、先生はこの場を仕切る気が全くないようなので私が取り仕切らせて頂きます。まず、響さんはダンジョンに興味がないようですが、私たちのパーティーに参加する可能性はありますか?」


一郎さんが話だし、場は再び緊張したが先ほどまでとは別の雰囲気だった。


「正直、親の説得から始めたかったのですが、他に道がないのであれば参加するしかないと言った状態です。私が面談に応じたのはミーシャ先生の説明が足りず、ダンジョン以外の就職先が来るかもしれないという甘い言葉に騙されたからですし」


私が話している後半の部分を聞いて、ミーシャ先生は心外だという表情をしていた。だれも何の反応もしていなかったが。


「では時間も限られていることですし、私たちのパーティーに参加した場合の話をさせていただきます。

まず、担当していただくのはタンク役。位置は私たちの中で唯一の魔法使いである彼女の前です。彼女のスキルは【風魔法】。響さんの【念動力】との相性は悪くないと考えています。そして給金ですが、ダンジョン探索で得た報酬の2割をお支払いします」


「報酬に関して金額は分かりませんが他の人より高額なのはなぜでしょうか?」


「ダンジョンを攻略する方法はご存じですか?」


「一応聞いています」


「ではダンジョン内で物資の搬送力がどれほど重要かと言えばお分かりいただけるかと。出力にもよりますが響さんが加入していただけた場合、私たちの取り分が増えるほどの力があると私たちは評価しています」


私は驚きを隠せなかったが、一郎さんの話す内容には納得することができた。

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私ならスキル【念動力】はこう使う るいす @ruis

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