第35話 人集め
朝起きたら昨日の予想通り、雪が積もっていた。小学校とかなら担任がほとんどの教科をするのでどこかの時間を遊びの時間に変えたりするんだろうけど、中学校からは全くそんなことなさ
︎︎基本的に中学校に入ってから休み時間も外で遊ぶことは少なくなるのがほとんどだし、遊ぶにしても家に帰ったからだ。
「お兄お兄! 雪だよ!」
「朝から元気だね、まぁ昨日から積もるかもとは思ってたけど。学年が上がると雪が積もったことに喜べないんだよね」
小学校のようにどこかの授業を無くして遊ぶなんてこともなければ休み時間に外へ遊びに行くなんてこともない。それに電車通学や自転車通学をしている人からしたら登校に時間がかかるようになるので正直降って欲しくないと思ってるだろう。
俺は徒歩だし問題は無いが小鳥遊は自転車で昨日の時点で色々言ってたからな。
「お兄は大丈夫だけど家が遠い人とかは登校が遅れちゃうもんね。でも私には関係ないから今日帰ってきたら遊ぶよ?」
「俺も今日はバイト休みだし、来羽に付き合うよ。あ、俺のことは気にせず自分の友達を連れてきても問題ないからね」
「じゃあ茅姉と叶多くんを誘おうかなぁ、あれ茅姉は今日バイトだっけ?」
「茅森先輩は俺が休みの日は入ってるし向こうが休みの日は俺が入ってる。まぁ叶多くんは誘えるんじゃない?」
茅森先輩の事だしバイトを休んで来そうな気もするけど、流石に来羽と叶多くんの前ではからかったりしないだろう……というかしないで欲しい。
︎︎まぁ来年はバイトは行かなくなるし茅森先輩のからかいともしばらくお別れということだし別に来てもいいけど、度は過ぎないで貰いたい。
とりあえず学校に行ったが、いつもより小鳥遊が五分ぐらい遅くやってきたのでやはり雪はキツイらしい。今日に関しては電車の遅延があったから遅刻は取らないらしいしな。
︎︎まぁそこで電車通学ですと嘘をつくやつが出てくるかもしれないけど学校側で誰が自転車で、誰が電車で、というのを記録しているらしいので嘘をついたら逆に終わりである。
「帰りも頑張れよ」
「真っ先に掛ける言葉がそれかぁ……。帰りは下り坂だけど雪だからスリップするかもなんだよね」
「怪我しないように気をつけろよ、下り坂は漕いだらダメなんじゃない?」
上り坂はシンプルに漕いで行けるような角度では無いので大体の人は学校前の坂まで漕いできてそこから押していって、帰りは下り坂を漕いでいく。ただ、今日は雪が積もってるしスピードを出したらスリップする可能性が高い。
︎︎別に帰りは何か用事がない限り急ぐ必要は無いんだし、押して行って坂が終わってから漕ぎ始めるのがいいだろう。
「そうだ、今日帰ったら来羽と雪遊びするんだが小鳥遊も来るか? 胡桃さんにも聞いてみるか」
「お、中学に入ってから雪遊びなんてやってないからもちろん行くよ」
胡桃さんの席まで移動して聞いてみたが「今日は塾なので……ごめんなさい」との事らしい、まぁなんかそんな予感はしていた。
「星野には小鳥遊の方から言っておいてくれ。あとは茅森先輩とその弟くんも来るって来羽からメールが来たかな」
やっぱ茅森先輩バイト休んだじゃん。
「とりあえず楓の方には僕から言っておくけど、隼人が居ることは伝えた方がいいか?」
「今はもうそこまで拒絶されてないから問題ないでしょ。というか俺が居るって言わなかったら後で星野になんか言われそうだ」
俺が居ても居なくても、他の奴も来るんだし星野は俺と関わらずに他の人達と遊ぶと思うけど。
「ま、返信が来なくても今日の委員会の時に言えばいいでしょ。それと、茅森先輩には気をつけた方がいいよ?」
「いや、からかうのは同じバイト先で働いてる隼人だけでしょ。さすがに全く知らない僕のことをからかうわけないじゃん」
「いやぁ? 俺はバイトの初日からやられたし、小鳥遊もなんか言われるかもな。いや、もし星野が来るなら標的はそっちか」
まぁ結局は俺なんだろうけど。
「あ、星野から返信きた。妹を連れて来るだってさ」
「あいよ、もう他に誘える人は居ないかな? まぁ来羽か星野が友達を連れくるかもしれないけど、そこまで集まったら結構楽しくなりそうだな」
まぁ男女比率はあれだけど、それは俺たちが男の友達を作ってないせいだからな。神田は、話す程度にはなってるけど連絡先は交換してないし一緒に遊ぶ仲ではない。
︎︎向こうも向こうで自分の友達と遊んでるしね。
「こんな大人数で遊ぶなんて何年ぶりだ? 少なくとも高校に入ってからは数人でしか遊んだことないと思うけど」
「3年の時は受験だったし遊んでないのは当たり前なんだけど、2年も1年も大人数で遊んだ記憶はないね。そもそも僕たちに友達がそこまで居ないからね」
それはそうかもしれないけど、一応繋がりは持ってるしね? というかよく考えたら全員と関わりを持ってるのは俺と来羽だけなのか。
「じゃあとりあえず今日帰ったら俺の家に集合な。茅森先輩には来羽が連絡してると思うから」
「ん、とりあえず授業を終えないとなー」
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