第2話 Tちゃん

これも小学校の頃の話です。

数少ない私の友人にTちゃんが居ました。

彼女はとっても明るくて社交的で、私以外にも友人は多く、スポーツもできる子でした。対して私は陰気な口数少ない子でしたので友人と呼べる子は少ないはみ出し者。

そのTちゃんが、一緒に帰宅していた途中で、

「昨夜から私に霊感が宿ったの」

と私に打ち明けてくれました。

その日から毎日毎日、怪談を話してくれたのですが。

先に述べた通り、彼女は陽気なタイプの人で、怖い話を沢山語ってくれる姿に少し違和感を覚えたものです。宿った霊感が彼女に語らせるのだと彼女自身も言っていました。多分数週間は続いた後、ある日彼女はふっつりと、それを語るのを辞めました。あれ、怖い話はもうないの?と私が訊くと、何それ?と彼女はきょとんてしてました。私は彼女から聞いた話を伝えてみたのですけれど、

「え、なに、こわ!」

と初めて聞いた話だと返事をされてしまい、私は何となく、彼女と話す時は怖い話に触れるのを辞めてしまったのでした。

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