お山の杉の子
山口遊子
第1話 お山の杉の子
村に残る言い伝えをお話ししたいと思います。私はもう長くはありませんので、あなたさまが、次の世代にこの言い伝えを残して頂ければ幸いでございます。
昔々、
そのころは村のはずれを出ますと、
その
お山のふもとまで
これを
「これこれ、杉の子。起きなさい」と。
お日さまのお声に答え、一斉に杉の木がお山に生えてきました。それはもうにょきにょきと。
にょきにょき、にょきにょき。
お山だけにとどまらず、杉の木はふもとまでどんどん増えていき、気付けばそこら中が杉林。今では
そのころからでしょうか。春先になると村で盛んにくしゃみをするもの、目をかゆがるもの、鼻をすするもの、のどを悪くするもの、そういった人たちが数多く出るようになったそうでございます。
それでも、
ただ、村の周りに椎の木がなくなり杉の林になってからは、山の幸を頂くことが
私の名前ですか? 私は
お日さまと言えども、むやみに感情だけで
お山の杉の子 山口遊子 @wahaha7
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