19:10
あいかわらず1日4000字目標で書いていました。あと、今週も既存作の見直ししてました。新規に書くのは大変なんですが、読み直すのは結構楽しいもので沢山読み返しました。
『真・巻き込まれ召喚。』見直し。114~141話まで。
『サイタマダンジョン』見直し。1~163話まで。
『素人童貞転生』見直し。1~10話まで。
進捗報告
『魔王になるかも?』80話途中(23万9千字)カレンを伴い王都に向かう。途中知り合いもでき王都に到着。
『宇宙のスカイスフィア 改』43話途中(11万5千字)。宇宙戦闘機回収。
『法蔵院麗華~無敵のお嬢さま~』現在66話(17万0千字)途中。宇宙客船ASUCAの処女航海セレモニー。
台湾角川のサービス『kadokado』で公開中の中国語(繁体字)版『真・巻き込まれ召喚~』https://www.kadokado.com.tw/book/30?tab=catalog 現在275話まで公開中。ブックマーク957 PV186.9K。あいかわらず全然流行ってません。
その他。
日の目を見ることがあるかどうかわからない書きかけ。
『幼馴染2。幼馴染ざまぁと思っていたら……』10話途中まで。2万2千字。
『硬派、岩永善次郎』5話まで。1万1千字。この硬派ですが物理的に固いという意味です。3話までnoteに上げているのでよかったら見てください。noteはこういうのはものすごく書きにくい。向かないみたいです。
『VRG-クラフトマン、一人で無人島生活』7000字
『アイテムボックスマスター』3万2千字。書きかけがあったのをサルベージ(巻き込まれ召喚のオリジナルっぽい話)
たいした絵がなかったもので、今日は、『VRG-クラフトマン、一人で無人島生活』「第1話 ゲーム開始」を付けておきます。公開することがもしあったら、内容等変わるかもしれません。
第1話 ゲーム開始
いろいろあって会社を辞めた。いちおう貯えもあるし、ワンルームではあるが自分の城も持っている。充電という名前の休暇を取ってもいいだろう。あまり休暇が長くなると社会復帰が難しくなるかもしれないが、最初からその辺りを気にしてもしかたない。
趣味と言って何もない俺だが、人との付き合いにうんざりしていたところなので、引きこもって一人で遊べるゲームでもしてみようと思い色々調べてみた。
数年前、完全没入型VRゲーム機というものが売り出された。いまではタイトルの数も揃っているようだ。まだハード自身はそれなりの値段がするため、家庭用ゲーム機ほど普及していないがいずれはそうなるだろうと大方のアナリストが予測している。
俺にとってはそれほどの出費でもなかったので、オンラインショップで購入した。肝心のゲームの方はたくさんの人とつながることのできるVRMMOゲームとかのタイトルは敬遠し、一人で楽しめるゲームをオンラインで購入した。俺の購入したゲームはゲーム機に紐づけされていて機械が起動したら勝手にダウンロードされるらしい。
今日の午前中にはゲーム機が届けられるはずだ。宅配されるまでの時間、簡単に朝食を取り、今日の昼食、夕食の準備を済ませておいた。これで終日ゲームに没頭できる。まあ、面白くなければそれまでだけどな。
準備も終わり、しばらく台所のコーナーのテーブルでインスタントコーヒーを飲んでいたら、マンション入り口のオートロックに連動したインターホンがピンポーンと鳴った。
インターホンに出ると、
「○○運送です」
「はい、どうも」
下に荷物が届いたようだ。すぐにオートロックを開錠して、荷物が届くのを待っていたら、再度、
「ピンポーン」
ドアを開け、玄関口に荷物を置いてもらい受け取りにサインした。
「ご苦労さま」
重くはないが、かなり大きな段ボール箱だった。
さっそく部屋の真ん中まで運び、段ボール箱のガムテープを剥がし、緩衝材の中から真新しい機械を取り出した。鼠色のビニール袋のなかから出てきたのは、顔の部分も覆われているが、見た目は黒いライダーヘルメットだった。目の部分が三センチほど出っ張っている。これをかぶればいいようだ。付属品は電源ケーブルと説明書。
説明書をざっと見てゲーム機の注意事項を確認しておいた。こういったものは、機械を装着して起動した後でも確認できるだろうと思い、流し読みで済ませた。
電源ケーブルをセットして、ベッドの上でヘルメットをかぶると勝手にスイッチが入った。こういう物なのだろう。ヘルメット上部からわずかなファンの音がする。これは冷却用を兼ねた換気用のファンだな。
ベッドに横になって、しばらくしたら、ゲーム機のロゴと3Dの景色が流れ、目の前に、「wi-fi接続中」とでた。どういう仕組みか分からないが暗号キーを入力しなくても無線LANの親機につながったようだ。
そのあと「起動できるゲームがありません」とでた。その後すぐに「ゲームを選んでください」と出たので、一つだけ表示された俺の買ったゲームタイトル『クラフトマン』を選んだ。選んだというのは、『選ぶ』と思っただけで選べてしまった。思った以上に操作は簡単なようだ。
「『クラフトマン』ゲームをダウンロードしています。……」
ダウンロードで五分ほど待たされた。その間最初のゲーム機のロゴと3Dの景色が流れていた。
「ゲームをインストールしています。……」
今度はインストールの待ち時間に、何だかわからない質問をされたのだが、後から考えると、ゲーム世界構築用のパラメーターか何かに影響した何かだったのだろう。
そして、今、気が付くと、俺は真っ白い砂浜の上に立っていた。
空はどこまでも青くところどころ綿雲が流れている。岸辺には波が寄せては引き、目の前に広がる海は岸辺近くは薄く緑に見えるが、岸から離れるにつれて青みを増して、遠く水平線の先で真っ青な青空に溶け込んでいた。
潮風の香りまで感じることができる。これが今のVR技術なのか。凄いものだ。試しに、波打ち際まで歩いていき、海の水を手ですくって舐めてみたら、思った以上に塩辛かった。こいつは本物だ。
ついでに、頬をつねってみたら少し痛い。痛みについては感覚が鈍化されているようだ。こういったところはどこかで設定できそうだが、どうすればいいのか今のところ分からない。ただ、この設定でいまのところ不自由ではないのでこのままでもいいとは思う。慣れればいいだけだしな。
しばらくそうやってこの世界の感じをつかんでいたのだが、何も説明がないままだ。
あれ? このゲーム、チュートリアルがないのか?
チュートリアルが始まるとばかり思っていたのだがこれといって世界に変化はない。ちょっと不親切だと思うが俺には時間が十分あるので問題なし。チュートリアルもそうだがこのゲームはどうやったら終わるんだろ? 終わらせ方が分かんないな。まさか一時期アニメで流行っていたデスゲームってことはないよな。
だいたい、終了はシステムコールになるんだろうから、エスケープとかシステムとか念じれば何とかなるんじゃないか?
試しに「エスケープ!」
おっと! 目の前にウインドウが開いた。
保存
保存ゲーム
終了
たったの三つしか並んでいなかったが、ちゃんと終了が有ったので一安心。試しにとりあえず、
「保存」と念じてみた。
保存の文字が反転して、三秒ほどして、
「スロット1に保存しました:00日00時間05分」
とウインドウに表示された。
ここでもう一度「エスケープ」
ウインドウが閉じた。当たり前だが何も支障ない。これで一安心だ。
時刻は朝方のようで太陽の位置はまだ低く陽の光はそんなに強くはない。海からのそよ風も気持ちよいので、季節が冬ということでもなさそうだ。
太陽が左手に見える。季節が冬ではなさそうなので、日の高さから考えるとだいたい時刻は8時くらいか。太陽の方向を東とすると、この砂浜は南に向かって海に面しているようだ。
砂浜の広さは前後五十メートル、左右五百メートルくらいに広がっていて右手、左手の砂浜の先はどちらも磯になっているようだ。俺の立っている場所から少し先には小川があり海に流れ込んでいる。小川の水が飲めるのならありがたいだが。
波が寄せては返している波打ち際を見ると、波が引いた後、小さく水が噴水のように噴き出しているところがある。貝が隠れているのかもしれない。
ところどころに流木が流れ着いているところを見ると、この近くに別の陸地が有るかもしれないが、今いるこの場所が半島なのか島なのかも今のところ分かっていない。
砂浜から後ろを振り返ってみると、砂浜の途切れたあたりに南国風の植物が見えた。緑の実をつけたバナナ、ヤシの木っぽい背の高い木。その木よりもさらに樹高のある木が何本も生えていた。かなり高いとこではあるが黄色い実が何個もついている。
自分の姿を上から眺めてみると、麻のようなややベージュっぽい貫頭衣を着て、足には革のサンダル。下着はないらしい。ブラブラまで再現されていてどうも落ち着かないが今のところ諦めるよりない。
背中に大き目の背負い袋を|背負って《しょって》いる。重みはあまり感じない。
中身を確認しようと背負い袋を地面に下ろして、袋を開けると、頭の中にどういう訳か、背負い袋とその中に入っているものがなんであるのか分かった。
『魔法の袋』マジックバッグ。
内部が二十四個に区分けされ。一区分け当たり一種類100個収納可能。収納物の重さは無視できる。あまり大きなものは収納できない。
これは、いわゆるアイテムバッグだ。ゲームの世界だけはある。これがないと難易度が格段に上がるわけだから、正直ありがたい。
『魔法の袋』の中には、
『石斧』:木を切ることができる。
『石のハンマー』:叩くことができる。
『石のつるはし』:石を採掘できる。
『点火器』:簡単に燃料になるものに火を点けることができる。
『作業台1』:この上に必要な原材料を置き設計台帳1から品目を選択するとその品目が自動ででき上がる。
『設計台帳1』:作業台1で製作可能な品目の設計図と必要材料名が綴じられている。
この六つが入っていた。
まだ午前中の早いうちだが、日暮れまでにあと何時間あるのかわからない。計画を立ててできることを着実にやって行こう。