梅雨の憂鬱と恋心
五布団 睡
第1話 梅雨の時期になりました。
「最悪~ずっと雨」
HR中私の前に座る友達の真奈ちゃんは携帯を弄りながら体を横にして私に話しかけけてきた。
(やったーこれでみつきさんに会える!)
私は心の中でガッツポーズをした。
「私は雨は好きだな…」
真奈に聞こえるか聞こえないかの声で呟くように言いながら私は窓の外を見た。
空はぽつぽつと小雨が降っていた。
「美雨はいいでしょ、ねぇ今日もあの喫茶店にいくの?」
携帯から私の顔に目線を移すとずいっと顔を近づけ真奈ちゃんはにやにや笑う。
「うん…///」
顔を赤くして私が頷くとピコンと真美ちゃんの携帯がなる。
携帯を見た真奈ちゃんは
「あ、ごめんね!今日は隼人と帰るから美雨1人で行ってきな!」
と真奈ちゃんは私に言うと早足で鞄を持って教室から出ていく。
「えっ」
急な事にびっくりした私は慌てて鞄を持ち真奈ちゃんの後を追いかけていく。
「ま、まな…ちゃ、ん待って」
下駄箱で上履きからローファーに変えていた真奈ちゃんは私の方を見て
「ごめんね、隼人が今日ご飯一緒に食べよって誘ってくれたからまた一緒に行こ」
と肩を軽く叩くと昇降口にいた隼人くんと一緒に相合傘をして帰っていた。
私も上履きからローファーに履き替えると鞄から折りたたみ傘を出しみつきさんがいる喫茶店へと向かった。
学校を出てバスにのり、10分ぐらい揺らていると小さなバス停に着く。
そこからせこみちがある。
せこみちを行くと紫陽花が咲いている小さな喫茶店に着く。
小さく息を吸って、吐いてと呼吸を整えた私は扉を開ける。
カランコロンとドアベルが鳴る。
「あら、いらっしゃい美雨ちゃん」
私の顔を見ると頬に手を当て優しく出迎えてくれる女性がいた。
けど女性にしては肩幅が広く、手も少しゴツゴツしている。
ここの喫茶店 moimoi は雨の日にしか開いてない。
そして喫茶店のオーナーのみつきさんは女性ではなく男性。女性の服装が好きで髪もウィッグを被っていると前に聞き、びっくりしたしたが綺麗なみつきさんを見ていると未だに信じられない。
みつきさんはいわゆるオネエです。
私はみつきさんに恋をしてます。
「こ、こんにちは、」
初めて1人で来たから緊張する。
いつもは真奈ちゃんが一緒に来てくれるけど…
私はみつきさんに挨拶をしていつもの窓際から2番目の席に着く。
「いらっしゃいませ美雨ちゃん」
水とメニューを持ってきたくれたのはウェトレスの香織さん。
ここでバイトをしている大学生の方です。
「あれ真奈ちゃんは?」
水を2つ持ってきてくれた香織さんは、いつもいる真奈ちゃんの席が空白で水を置く手を止めた。
「真美ちゃんは今日用事がありまして、ひとりできました、ごめんなさい」
「うんうん、私も見ないでお水用意しちゃたから大丈夫!そうなんだね、今日は何飲む?」
香織さんはそう言って私に見やすいようメニューを開いて見せてくれた。
「決まったらベルを鳴らしてね、ごゆっくりと」香織さんは裏に入っていった。
開いてあるメニューと私はにらっめっこをする。
(前はカフェオレにしたからバニラカフェオレにしてみようかな?でもミルクティーも飲みたいな…)など悩んでいると
「今日のおすすめははバニラカフェオレよ!」
と横から指が伸びてきてメニューをトントンされた。
顔を上げると笑顔のみつきさんがいた。
「じゃ、あバニラカフェオレ…ください」
おすすめのバニラカフェオレを頼み私はみつきさんを目で追う。
みつきさんはカウターに立つと早速バニラカフェレを作り始める。
少し離れた場所から私はみつきさんを見てゆっくりしたら帰る。
そんなことを繰り返して3ヶ月経つけどなかなかこれといって会話はオーダーや挨拶のみで進展はない。
(みつきさんとお話したいけど真奈ちゃんいないし、何話せばいいか分からないよ~)
鞄から小説を出し、私はバニラカフェオレが来るのを待つ。
「お待たせ!バニラカフェオレよ」
みつきさんは私の所に来ると透明なガラスコップに入ったバニラカフェオレを置く。
白と茶の色していて口に含むとバニラの濃厚な味わいとコーヒーの苦さがが口に広がる。
(初めて飲んだけど美味しい!)
初めてのバニラカフェオレに私はまた新しい飲み物を知ることができた。
バニラカフェオレの飲んだ後はレジに行き、お会計を済ませて私は喫茶店を出た。
喫茶店を出てるとまだ小雨が降っていた。
鞄から折りたたみ傘を出し、鼻歌を歌いながら
(明日も雨だから明日はミルクティーにしよ♪)
心の中で明日飲む物を決め、私は家へと向かう。
梅雨の憂鬱と恋心 五布団 睡 @fubosann21
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