第12話

 記憶が飛んだように時はあっという間に過ぎていった。想定どうり2人の子供は国立大学を卒業して家を出て行った。僕は少し気が抜けて仕事も思うようにはかどらない時もあったがこれでいいんだと納得させてきた。

 初夏の昼下がり僕はぼんやりとテレビを眺めていた。TVは盛んにビールのCMをながしている。どれだけ飲んでないんだろうなと、ふと思った。子供ができた時から酒もたばこも止めてしまった。子供を育てなければというプレッシャーからか健康を意識して飲むのを止めてしまったのだ。

 しかし今は2人の両親も亡くなり、再び妻と2人になった。

 さて子供から自立しなければと、僕は20年ぶりのビールを買いに走った。

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結婚 小深純平 @estate4086

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