第一回 きのこの山 のらくら文芸部企画もの

棚霧書生

きのこの山

 山へ芝刈りに行ったおじいさんは、途中でお腹が空いたのでそこらにたくさん生えていたきのこを食べました。きのこはめちゃんこ美味しくて、食べても食べても食べ飽きません。

「はぁッ、うめぇぞぉ、うめぇぞ、コレぇ!! もっと食べたい! 食べたい! ここに生えてるきのこは、ぜんぶオラのもんだぁ! モガッフガッモグモグ……うんめぇ、うんめぇ、うんめぇ……」

 おじいさんは夢中になってきのこを食べ続けました。食べて食べて食べて食べて食べ続けて、お腹がパンパンにふくらんでも、のどが詰まろうともおじいさんはきのこを自分の口に無理矢理押しこみました。するとどうでしょう、おじいさんは急にからだをガクガクと震わせたかと思うと、次の瞬間にはパッタリと地面に倒れこみちっとも動かなくなりました。

 そうです、きのこの異常なまでの美味しさの秘密は毒だったのです。

 おじいさんは毒きのこを食べて死んでしまったのでした。くわばらくわばら。


『きのこの山』〜完〜

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第一回 きのこの山 のらくら文芸部企画もの 棚霧書生 @katagiri_8

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