第16話 平和な世界へ
魔王の迷宮をクリアしたカインたちは、ギルドへ報告にきていた。
「あっ! お疲れ様です。とうとう魔王の迷宮をクリアしたのですね」
今回も大活躍のカインは、とうとう最上位ランクのSランクへ昇格したのであった。
メイが言うには、魔王の迷宮が消滅してから、森や洞窟などでモンスターの目撃情報が一切なくなったというのだ。
事前の情報通り、魔王を倒したことで、平和な世の中が訪れたのであった。
「モンスターがいなくなったとはいえ、ギルドは人々を助けるために継続予定です。カインさんは、どうされますか?」
平和な世の中になったことを知ったカインは、即答する。
冒険者をやめて、拠点で自給自足生活を行っていきたいというのだ。
「そうですか……、せっかくSランクになったのに残念です」
今後も、何かの役に立ちたいという想いはあったが、カインにとって『自給自足生活』も転生した時の憧れの1つであったのだ。
「もちろん、私はお供しますよ」
「カインと一緒は楽しいから、ボクも!」
「おれもだ!」
メル、チロル、ドラルも一緒に過ごしたいという。
その言葉に、カインは会心の笑顔を見せた。
前世も含めて、一番の笑顔だったであろう。
拠点に戻り、仲間と楽しそうに食事をするカインたちであった。
前世では、平凡でつまらない生活を行っていたカイン、刺激的な冒険者ののちに、平穏な生活を手に入れたのであった。
魔王がまた、現れる日がきたのであれば、きっとそこにはカインたちが現れるであろう。
またその日まで。
「あのー……、おれの出番はいつなのでしょうか?」
仲間になってから一切、出番のないリヴァルであった。
完
寝たきりのおじいちゃんが異世界転生したら? ぴんくま @pinkuma25
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます