第2話

 ところで、皆さんは鳥獣戯画というものをご存じでしょうか。私もネットで話を聞きかじっただけなので詳しい事はお話しできませんが、主に江戸時代に、社会風刺のためずる賢い人間を鳥や猪の動物に見立てた絵のことです。これは先ほどのものまね芸人の例でもわかる通り、ボカロは一種の鳥獣戯画ととらえることができます。流暢に歌う彼らは自身は、コンピュータプログラムが作成したただの音声に過ぎませんが、それこそ鳥獣戯画のように、人間ではないという特性から人間を観察し、表現することができます。(実際はボカロPの方が制作しているので、厳密には違いますが、ここでは「表現する媒体が人間でない」ことを強調するため、この言葉を使っています。)そのため、人間に特有の「建前」のリミッターが外れることで、普通の歌い手では表現することが難しい「本音」や「嘆き」を表現することが可能になるのです。ここで少し、私のおすすめのボカロ曲の歌詞の中から、本音や嘆きがよく現れている部分を引用します。

 Guiano 「死んでしまったのだろうか」より

「深海に沈む船のように~」

「思い出話にだけは花が咲いた~」

chinozo 「エリート」より

「愛情に絞る『ありがとう』」


このように、ボカロは人々の心の深層にある「本音」を刺激することで、彼らを引きつけることができると推測されます。


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ボーカロイドについて私が思うことをとりあえず書き殴ってみた ゆーしん @0038283

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