別れのキス

 

第1話

 教室のドアを開けると、茜が血だまりの中でこめかみに銃口を突き付けていた。


「……待って。茜ちゃん」


「翔太くん。さっきは酷いこと言ってごめんね」


 茜は今にも泣き出しそうな顔でそう言うと、引き金を引いた。銃弾が頭部を貫き、茜の体は仰向けに倒れた。僕は彼女に駆け寄り、体を揺さぶった。


「茜ちゃん! 茜ちゃん! ……お願いだから目を覚ましてよ」


 しかし、彼女はもう目を覚まさなかった。僕は彼女の唇にやさしくキスをすると、近くに落ちていた拳銃を手に取った。

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別れのキス   @hanashiro_himeka

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