第18話、覚悟、

「アデルム、君のことはよくわかった、そこでそなたに3つの選択肢を与える」


アデルムはレオンを見つめた、まだ幼い体から感じ取れる王のオーラそれを感じ取った、


「何でしょうか、魔王様」


良い目だ、その瞳覚えがある、


かつての総督に似ている、実力はまだまだ似つかぬが思いの強さ、それは何か通ずるところがあるやもしれん、しかしダルメシアンの暗殺未遂これは僕が許さない、


よって僕は、いや俺は、元魔王として彼に選択肢を与える、


「アデルムよ選択肢を与えよう、一つ目、この場で我によって生涯を終え亡き愛しき者の所へ向かう」


僕としてはこれを一番勧めたい、彼にはもう生きる糧がない状態で過ごしてきた、それはたとえこれからも変わらない、


悲しい選択肢又は卑劣な選択と思うだろうが、これは彼にとって一番欲している選択かもしれない、


アルデムの瞳が一瞬でも楽になれるようなそんな光りの眼差しを向けてきた、


しかし、これは彼のプライドが許すことはない、彼の人柄は今さっき理解した、僕は人を見る目には自身がある、だから僕は、


「二つ目、この場で起きた記憶を全て消してこの場から消えるか」


この選択はしないとわかっている、しかし与えられるものは与える、


アルデムはその選択は取らない、表情でわかる自分にとって良い悪いは表情や仕草でわかる、無反応からそう受け取った、


「そしてこれが最後の、三つ目の選択肢だ」


これは、もしかしたらこの選択肢の中で1番過酷な運命になるかもしれない、


そう思いながら僕は彼にその選択肢を与える、


「僕の部下になれ、魔王軍少将アルデム•デンビル」


僕は仮面をとりアルデムの答えを待った、どんな答えを出すにしても最大の敬意を、


それだけの価値をレオンは感じ取った、


アルデムは熟考した、自身の未来をこれからを、今のままでいても何もなし得ずに生涯を終える、それよりは、


選択肢1をとり今ここで楽になるのも悪くはない、それが1番私にとってありがたく楽園のようだ、今すぐに楽になれる、


しかし、亡き愛しき家族は私を見ている、私はダルメシアン様に暗殺など、愚かな、今のままでは家族に会うことはできない、


かと言って今のままでいても、軍では私が成し得ることは何もないだろう、


なら、ここで、


アルデムは覚悟を決めた瞳をレオンに向けた、

 

その覚悟をレオンは感じ取った、


そうか、もうすでに彼の瞳を見れば彼がこれから選ぶ選択はわかる、


「私は、あなたに残りの生涯を捧げましょう」


そうだよな、お前みたいなやつを僕は何度も見てきた、そして決まって、早死にする、


勇敢なやつや人一倍正義感を持ったものほど何かとすぐにいってしまう、


「良かろう、アデルムよ、契約魔法『主従』」


アデルムの首に魔法陣が浮かび術式が刻まれる、この術式はレオンの世界では公にはされていない禁断の魔法、使用する例として犯罪者などを従えるために軍の総督以上のもの以外の使用は禁止されている、


この術式を受けたものは、使用者の意に反することができなくなる、いわば奴隷に近い、


黒紫に耀く魔法陣が消えたとき、術式は完了する、


光りが消え去りアルデムの首に術式が刻まれた、


「これで君は僕の部下だ、」


アルデムが首に触れる、そしてレオンの術式に触れた、レオンの術式は並大抵のものではどうやっても解析は不可能しかし、


「これは、魔王様!」


そう、気づいたか、僕は簡単に術式を解除できるようにした、


「なぜ、私に」


勘違いするなよ、僕がそうしたのはそうしないといけないと判断したからだ、


レオンは自身に魔法を使用した、


「強化魔法『肉体操作』」


レオンの体から青紫色の光が耀く、その光が消えたとき元の魔王の姿を見せた、


あ、、、これが、先代の、いや、本物の魔王の姿!


もとの姿になったレオンは空に腕を掲げ叫んだ、


「我は世界最強と言われし魔王、レオン・ハート・クロムウェル・サタン、この世界を救う!」


その姿はアルデムの目に真の魔王を見せつけた、


私の決断は間違っていたかそれはわからないだが、この、今の前の魔王さまは今の魔王様とは違う、私の最後の生涯を捧げるのに悔いはない、


「私は、あなたに従います」


レオンはアルデムの方を向き笑いかけた、これから共に茨の道を行くもの同士になる、


その覚悟を2人は誓った、


その後レオンはアルデムの部活たちを回復させた、


「再生魔法『ヒーリングアール』」


死んだはずのものが息を吹き返した、この魔法は死んだ物を生き返らせる魔法ではない、これは結界内だから可能となる、結界内に残った魔力残滓を回復させることができる、


「これは!まさか!死者蘇生魔法!」


私は今、何を見ていると言うのか、フン、さすが最強魔王と名乗るだけはあるな、主人


そして僕は週に一度アルデムとここに来ることを決めて僕は急いで帰宅しに行った、


まずい、まずいまずいまずいまずい!


「強化魔法『肉体操作』」


一度元に戻した体をまた幼い体に戻した、


「強化魔法『迅速』」


急がねば!


今ごろこの世界の僕の親は、僕を必死で探している!





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勇者に敗れた最強魔王は別世界に転生して今度は世界を救います、最強魔王の別世界転生、 星乃 ガイト @gakusei191419

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