第17話、魔王が知った世界の現状

人間に怒り、この世界の人間と我々魔族は争っていることは知っている、しかし詳しいことはわからない、教えてもらおうか、


レオンは歩み寄り問いかけた


「お前たちはなぜ人間と争っているのだ」


?そうか、復活したばかりで記憶が曖昧な状態にあるのか、


そのレオンの問いかけにすぐさま答えた、


「人間は我々と争いになったのは、我々魔族を奴隷にする人間が現れたことが始まりです、」


奴隷だと!人間が魔族をそんなことが、しかし魔族が人間を奴隷にするのではなく人間が魔族を奴隷にするなど、力も魔力も肉体も人間より平均的に上のはず、


レオンはその場に座り込んだ、アデルムの話を真面目に聞こうと彼の近くまで、


「ほ〜それで人間はどうやって魔族を奴隷にしたのかな?」


レオンはまた問いかけた、


普通の手錠などでは魔族は簡単に壊してしまえる、それにそんなことをしている理由がわからない、


「それは、労働力など用途は様々ですが、人間は我々魔族に魔術手錠をはめてくるのです」


魔術手錠、、、手錠に魔力を込めているのか、おそらくは命令など聞かなければ何らかの攻撃があるのだろう、


「手錠、その手錠は魔力でできているのだろう、使用者の魔力が枯渇するのではないか」


普通は魔力を長時間流し続けなければ魔力道具は機能しなくなるはずだ、そんな永久機関を作り出すことが可能なのか、


不変換術式でもそれはできない、最大限まで軽減すれば10年は枯渇することはないだろうが、そんなことができるものは僕以外いないだろう、


「まさか、、、魔石か!」


魔石とは魔法が込められた石、世界に流れている魔力が石にたまりその石に魔力が宿った石のことを魔石という、


魔石の使い方は様々ある、剣に埋め込んで威力を上げたり、魔石の魔力を使用して傷を癒したり、


そうか、魔石を別の用途に使うことも可能だ、それを使ったのか、


レオンが魔石の力で捉えられた魔族の子供や女性を想像すると自然と拳を握り、怒りが込み上げるのを堪えた、


「我々魔族は幾度も人間の王に返還要求と賠償を要求しました、しかし、、、」


レオンはその怒りに満ちた表情を見た時、彼の、アデルムの怒りは本物だった、その怒りは身内にあるようなそんな、


「人間はそれを拒否または思うように動いてはくれなかったのだな」


レオンは自らの思い上がりを恥じた、


何が人間と魔族の平和をこの世界でも実現するだ、考えればわかっただろう、そこまでの状況になるのはそれそうのことがあったからだ、


ダルメシアの考えが受け入れられないのは、わかる、前世の世界では元から実現して、その世界の当たり前が人間と魔族の平和が実現されていた、


しかし、僕の世界とこの別世界は違う、そんなことにも気づかないなんて、


レオンはこの世界に来て少し退化していた、魔力も肉体的にも以前のレオンとは違って、魔王ではなくなってきている、


「人間は、わ、私の、家族を」


そうか、家族が犠牲になっているのか、アデルムは怒りと同時に涙を流していた、その涙はまさしく、


『愛の復讐』


「私の家族は、戦争末期、今から30年前に、捕虜として」


「それ以上、先は言うな」


「!、ま魔王様」


そうか、見たところまだ若い魔族だと思ったがこいつは、そうか、年齢操作をしているのか、


年齢操作、この魔法を使えば肉体は衰えないし魔力も減ることがない、しかしその代わり寿命は二倍のペースで減っていく、こいつが100歳まで生きるとしたら50まで生きられなくなるという、


寿命を犠牲にした魔法、


「お前、本当は幾つなんだ」


レオンは蹲りながら涙を堪えるアデルムにきいた、


「何でもお分かりなようで、私は、43です」


そうか、43もういつ死んでもおかしくはないか、魔族の平均は100、最大で145だ、しかし90、80で生涯を終えるものもいる、こいつは、


レオンには彼の気持ちが少し伝わった、理解した、


「アデルム・デンビル、お前はなぜ戦争をしたいんだ、死場所を探しているのか」


そう、彼には、アデルムにはもう時間がない、いつ死ぬかもわからないだからこそ、人間と戦争をしてそこを戦地としたのか、


彼は43と言ってもまだ若い、もっと経験を積めば強くなれたろうに、


軍の平均は80に引退、が原則として決まっている、大将や総督や四天王ましてや魔王は例外だが、


「私は、死場所を、最後の使命を探していました」


涙を流しながらレオンにそういった、もう何をしても家族は帰ってこない、そんなどこにやったらいいのかわからない怒りが悲しみが彼を、ダルメシア奇襲に至らせたのか、


この世界は僕が考えているよりもっと複雑でもっと悲しい世界なのかもしれない、


レオンはまた自らの思い上がりを恥じた、力では変えられないのはわかっていた、でも僕には、私には人間がそんなことをするなんて想像がつかない、


だってあんなに、私と人間は仲良くしていた、私の世界はそれが普通だった、この世界を救おうそう思った時なんだかワクワクしていた、


前世にあった冒険創作者語りをシオンと一緒に見た時のような、そんなことができるのではないかと胸が躍った、でも、


そんな甘い考えではいけなかった、私は死してなお世界最強の魔王と言われた魔王だ、真剣に考えるひつようがあった、決して生半可な気持ちではいけない責任がある、本気で世界を救うなら。



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