第4話、え〜負けたの〜

おいおいおいおい!マジかよ!これで負けって?え!マジ?嘘〜ん、


「ブハー」


マジかよ!無限の剣!ウルトラゼノエクスカリバー、これは、、、負変換術式でも打ち消せない、何か、何か、手はないか?


痛みはないが魔王の視界がだんだんと薄れぼやけていく、赤い紋様が瞳の奥で壁を作り視界を妨げる、


あ〜、負けるのか死ぬのか?え〜あそこまでやったのに?マジで?全て台無しじゃないかよ!


くっそ〜そもそもあんなにポンポンと覚醒ばかりしやがってあんなのチート能力じゃないかよあ、そこからだそこから負ける気がしたんだよ、あーもー、まじかいつになったら人間と政権交代できるんだよ〜


「ハ〜ハ〜ハ〜、毎度言われてると思うが、私の分まで魔族も人間も幸せにしてくれよ」


魔王は血を流しながらも立ち尽くした、その場に最後に魔王としてのいぢを見せる、魔王として死の淵に膝をつくわけにはいかない、


「当然、私はあなた達を尊敬している、あなたの分まで私が人間も魔族も幸せにする、だから安心して」


勇者シオンは微笑みながら優しいそんな顔を魔王に向けた、


あ〜美しいな、歴代最強世界最強といわれた私が負けるか、いや勝負に勝って戦いに負けたというやつか、これが、


油断、、、


「シオン、最後に一言言わせてくれ」


魔王がシオンの瞳を鋭く見つめそう願った、


「ええ」


シオンは当然のようにそれを了承した、魔王の最後の言葉を身と届ける、


「ふ〜〜〜〜〜〜」


魔王が地上に空気を吸い込む最後の言葉を残す、


「私は最強魔王レオン・ハート・クロムウェル・サタン!ここに敗北を認める!今度も勇者主導の政権発足を、我ら魔族と人間の共存共栄の幸せを喜びここに表明する!ー」


最後にそう言うと人間と魔族から大きな声援が鳴り響いた、それはまさに大型りのお祭りごとのような賑わいを見せていた、


魔族も人間も幸せそうに話したり食をしたりゲームをしたりと笑顔に満ちていた、人間と魔族の共存共栄の幸せがそこにはあった、


それを見とった魔王はゆっくりと眠りについた、


「いや〜今回の魔王様は今までよりも凄かったなね」


人間の男が酒を飲みながら笑顔でそう話している、


「いや、それでも勇者が強すぎるんだよ、魔王様もあと少しだったのにな〜。ウェン〜」


魔族の男が刃牙ながら酒を飲み人間の男に抱きつく、


「おいおい、泣くなよ、泣いたら俺も泣きたくなっちまうだろ、魔王様を讃えてやろうぜ」


「そうだな親友、魔王様〜、あんたはすごいよ〜ありがと〜」


祭りは大盛り上がり、人間と魔族の絆は深く深く強く結ばれていることがわかる、


(失礼しました状況がわかってない方達に説明をいたします笑)


「勘違いしていた貴様ら読者にこの私、魔王が説明してやろう」


そもそもこの世界では初めから少なくとも1000年前から人間と魔族は同種の種族として共に共存共栄をしてきているのだ、今でも両種は幸せに過ごしている、


それでなぜ戦争しているのかというと、100年内に一度人魔対戦というイベントが起こるのだ、


きっかけはあるとき、どちらの種族がトップとするべきかという問題が出た、人間も魔族もどちらも対等なのは周知の事実だしかし、トップとなれば話が異なる、というわけで政権を狙って、人間と魔王の政治家たちが互いに戦争をし勝利した政党の代表、勇者政権か魔王政権のどちらかが政権を握ることに当時の人間と魔族は決めたのだ、


つまり、選挙イベントみたいなものなのだ


ちなみに、人魔対戦とは政権戦争とも言われる


さらにちなみに、勇者と魔王以外の死者は復活が可能、しかし勇者と魔王は負けたらその名は後世に語り継がれる代わりに復活は名誉のために行わないことが決まっている、


そんでここ10代ほど政権の交代は起きていない、魔王はことごとく勇者に敗れてきた、今期こそ魔族が政権を取りたいところだった、


まあどちらが取ろうが、人間も魔族も幸せならそれでいいのが本音だが、


こんな感じなので私が生まれた世界は人間も魔族も平和に生きている、ちなみにこの戦争では人殺しも魔族殺しも許可されているどちらもそれを了承した上での戦争参加、それに関連してか犯罪も少ない、


「と、わかったか、誰が気生臭いそんな愚かな戦争などしたいと思うか、そもそも私と勇者は最初から仲が良かっただろう?あれを伏線というのか?」


「あいつも面白くプレイしていたな〜、世界を私が救う、笑笑笑面白かったな、よくもあんな恥ずかしいセリフを吐けるものだな、」


「だまれ、魔王!」


「!なんだシオン?お前この死者の領域に入ってきてどうした?」


そう魔王は今から死ぬところだ、これから戦争や関係各所の方々と1人ずつ話してから、この命はなくなる、まあ魔族は大体寿命が120歳私はもう97歳十分生きた、


「なんだ最後の挨拶をしにきてやったというのに、」


少し寂しそうな声でそう言った、


「フン、まさか私が挨拶をされる側に回るとはな、」


魔王は微笑みながらそう言った、


「魔王!お前、わざと、あの時わざと負けたんじゃないだろうな?」


泣きそうな表情を必死で堪えるシオン、その顔を見た時魔王は、


「ハ!そんなわけがないだろう!私は魔王、誰よりも人間と魔族双方を幸せにできると信じている、わざと負けるなど、そもそもそんな余裕などなかったさ」


そういうと魔王は最後に笑顔を見せながら、『あとは任せたぞ』そう言うと魔王は死後の世界に向かって歩み出した、


シオンが魔王が離れていくのを見ながら、叫んだ、


「私は、お前を、愛していた!ー、」


その言葉が耳に届いた時魔王の目から小さな喜びがこぼれ落ちた涙が流れた、


そうさ、確かに私はモヤモヤした気持ちで政権戦争に臨んだ、だが、、、お前との戦いは楽しくてそんなことを忘れてしまうほど、楽しかったんだ、


そう最後に思い魔王は、いや最強魔王レオン・ハート・クロムウェル・サタンは死後の世界に行った、


「さらばだ、勇者、そしてみんな、」


『勇者に敗れた最強魔王は別世界に転生して今度は世界を救います、最強魔王の別世界転生』完!




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