第25話 この親にしてこの息子あり

「相変わらずいきなりだなあ」


目の前に現われた自分の顔によく似た白い髪の実母をみながらアキラはため息をつく。


「母を前にして相変わらずだな、息子、相変わらず暴れているらしいじゃないか」


「母さんほどじゃねえよ、そんでミロクの事か?」


自室のソファーに座りながら母の分も珈琲を淹れるとため息をつく。


「そうだねえ、腹違いとはいえ、私も母親になるんだ、末の息子は見に行きたいからね、ありがとう、相変わらず美味しい珈琲を淹れるね」


「ああ、名無しの爺さんの店の豆は美味いからな」


「淹れる腕もあるだろうよ、喫茶店はしないのか?」


「趣味で十分だよ、まあミロクはこれから迎えいくけど、いく?」


「ああ、そうだねえ、いこうかな」


にこにこと微笑みながら息子の言葉に頷き


「マリアベルちゃんのとこに今いるんだろう?」


「ああ、あそこでも可愛いがられてるみたいだからな」


アキラは珈琲を啜る。


「そうね、トワの息子でもあるから可愛いだろうねえ、マリアベルちゃんも末の弟が出来て会えるのを心待ちにしてたし」


「まあなあ」


サーラは珈琲を啜りながら


「皆大人になっちゃったからね」


「まあ皆独り立ちしてるからなあ」


「新しい家族は嬉しいわよね」


「そりゃな」


アキラはくすりと笑う。


「あんたも甘えていいんだよ?」


「十分愛してもらったさ、母さんには」


「はは、今日は大分素直じゃないかい」


「たまにはな、さてとミロク迎えにいくか」



「そうだねえ、行こうか、はじめましての息子に会いに」


サーラはにこりと笑った

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