第22話 冒険者ライセンス
「かかかかかっかかかかっかか!!」
黒い着物の男が獣のような顔で目の前の獲物を斬り捨てる!
「しかし、喰刀さんだっけ?すごいなあ」
やる気なさそうな茶色い短髪の革鎧を着た眠たげな青年が欠伸をする。
「1週間でB級ライセンス取得なんてすごいよなあ、このダンジョンエリア、すげえゴブリンキングが沸きまくる不人気エリアなんだけど」
「まあ彼の場合はあんまり考えてないでしょうねえ」
隣にいる白いローブの男と紅い髪の少女は頷いた。
「まあゴブリンキングをこんなに山にしているし、イノセンスさん達も同じようにしているから、実力は申し分ないんで、A級冒険者アルデンスがA級ライセンス取得を許可する事を報告します」
イノセント達は遊戯の盤上に滞在すると同時に冒険者ギルドに登録をし冒険者として過ごす事に決めた。基本的にどんな種族でも意志の疎通が問題なければ冒険者資格は手に入るので、身分証明として得るのに有用だという判断で得る事にしたのだが、喰刀がどうせ資格を取るんならばさっさと階級をあげたいといい、特別制度であるC級まで上げる制度をその日のうちに利用しイノセント達も利用。
試験官である冒険者を瞬殺し、C級までライセンスの階級をあげ、イノセントもどうせなら皆が受けないような依頼を受けようという話のなり、不人気の虫系や繁殖率の高い疲れるモンスター達が現れるダンジョンエリアへいき、そちらも瞬殺してB級まで階級を上げ、その期間一週間と最速であり、そのうえでゴブリンキングが鬼沸きするエリアでもまた瞬殺し、あっという間にA級まで階級をあげてしまった。
この国ではダンジョンの中にあるということで自然生成されるダンジョンがあり、その都度ダンジョンコアを破壊しながらレベル上げが出来るようになっているのだが、元々イノセント達は種族的にも潜在能力的にも能力が高く、文字通り一騎当千の能力を持つ事からあっという間にこの国で名が売れ、
「喰刀、いい加減うちのパーティーにもはいってくれよお」
「面倒から嫌じゃ、俺はこれから酒を飲みにいくんじゃ、散れ散れ」
「イノセントさーん!」
「ごめんねー、悪いけど、今日はおやすみにするよ」
「マキナさん」
「・・・」
そんな三人の様子を見ながら
「皆人気者だなあ」
ミロクはハンバーガーを食べながらにこにこと笑う。
「本当に規格外だからねえ」
隣に座る黒い髪をオールバックにした白髭を蓄えた優し気な体格のよいお爺さんが同じうにハンバーガーを食べながら頷いた。
「ギルドマスターさんも大変だねえ」
「はは、それがお仕事だからねえ、ミロク君、寧ろミロク君にも書類仕事お願いしちゃってごめんねえ」
「いいよ、マスターさん、僕の年齢だとランク上げれないんでしょ、お姉ちゃんの国にあるギルドの仕事なら僕やるよ」
「・・・本当にいい子だねえ、ほんとにマリアベル様の弟かい?涙がでちゃうねえ」
遊戯の盤上のギルドマスター、ストレングス=アーリマンは目元を抑えながら微笑む。
「そしたらあれだねえ、お小遣いも色々とだしたいねえ」
「そんな気にしないでいいのに」
「いやいやちゃんとお仕事をしてくれたんだからそれはだめだよ、どれ正規の金額に私のポケットマネーを少しだそうかな」
ストレングスはにこにこわらいながらミロクに眼を向けた
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