こころの輪郭なぞって

こころの輪郭なぞって

なんと美しいびいどろ

まあるい透明のびいどろ

昊（そら）を宿して白や青や朱（あか）になる

きらきら、きらきら

光の粒をまばゆく映す

それはまるで、真昼（まひる）の天の河

地上で輝く星の息吹（いぶき）

わたしのこころを柔らかに包む

嗚呼、哀しいかな

わたしの胸をふるわすこの光景（けしき）

言葉はすべての輪郭をなぞらない

ひとつふたつと欠片を零して喪失（なく）して

歪（いびつ）ななにかだけをそっと置いてゆく

されどきっと

誰かが金剛石（ほうせき）の色彩（いろどり）を

誰かが沈丁花（はな）の芳香（かおり）を

誰かが黒鶫（ことり）の歌聲（うたごえ）を

添えてくれるだろう

きっとわたしのこころは

優しい何かに変容（かわ）るだろう