第11話
黒名はいわば、僕という存在の理想形。
僕には一応、自分の理想がある。
だが、それはあくまで理想。現実でそれが出来るかというのは、また別の話である。
だからこそ、僕は長い時間を掛けて、黒名の動きやら思考やらを再現出来るようにしていかなくてはいけない。
とても難しい、されど不可能でも無い。
能力の善し悪し等は努力で何とかするしか無いとして、思考や立ち振る舞いは真似れば出来る。
むしろ、僕としては、そちらを有力視したい。
なぜなら、その方が「楽」だからだ。能力があれば、自分で出来ることは増える。だが、
それはつまり、「なんでも自分でしなければいけない」ということだ。そんな事をするくらいなら、誰かに任せた方が効率もいい。任せられる人が増えれば更にいい。会社と同じだ。
「僕のやるべきは、黒名の再現だね。」
[ですね。...なら、口調も変えます?]
「あぁ、そうだね。変えようか。」
[...ん、分かった。で?具体的に私は何をするの?]
「ひとまずは、僕のイメージを1歩先に作ってくれればいいかな。僕はそれを再現するから。」
[りょうかい。]
現実逃避に生きる愚か者 狼月 @unknown07
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