第20話 サトウの切り餅
♪もういくつ寝ると お正月~
てなわけで、お正月が近づくと無性に食べたくなるもの、それが餅です。この季節になるとお持ちのシングルパック1キロを買って、毎日少しずつ食べるわけです。
私は関東育ちなんで実家は四角いお餅ですが、現在どっぷり関西人な私は当然のように丸餅です。それ言ったら母に「え~? やだ、関西人みたい」って言われました。いや、関西人やねんけどな!
それが一昨年辺りからちょっと警戒し始めたんですよ。
去年は食べなかったんです、お餅。それは一昨年お餅を食べて歯の詰め物が取れちゃったからなんですよ。
正月って歯医者やってないじゃないですか。だから詰め物が取れるとえらいことになるんです。
たまたまかかりつけの歯医者さんの正月明け診察日の前日の晩に取れちゃったんで、特に大騒ぎにはならなかったんですが。
それからは正月にお餅を食べるのは止そうと思ってます。じゃあお餅いつ食べるんだよ。
まあそんなわけで、買うときはサトウの切り餅です。
ふと思ったんですよね、サトウの切り餅。サトウって創業者の名前かな? いえね、もしもそうなら、創業者が加藤さんならカトウの切り餅だったかもしれないんですよね。カトウの切り餅ってあんまり違和感ないですね。サもカも『あ行』だからでしょうね。
じゃあ『あ行』ならなんでもいいのかってーと、そうでもない。
試しに『や』でやってみるとヤトウの切り餅になるんです。野党の切り餅になっちゃうと与党の切り餅も実はあるんじゃないかなと勘ぐってしまう。国会でもおやつタイムとか、あんまりよくないですね。おやつ食ってる暇があったら消費税減税してください、頼むから。
じゃ、『な』でやってみますか。ナトウの切り餅……NATOの切り餅っぽいね。なんかスパイとか居そう。エーベルバッハ少佐が食べてるんだきっと。
えっと『が』行ってみる? ガトー切り餅。
なんだかフランス人のパティシエか何かが世界スイーツアワード2023日本代表として作りそうなお餅アレンジって感じになりますね。ならねーか。ならねーよ。
あ、この三段階パターン『いち癇』で散々使いましたね……ってどうでもいいね。
それなら『だ』でどうだ。打倒切り餅!
倒してどうすんだよ。何か恨みでもあんのかよ。
そこからの『ば』ですね、罵倒切り餅。
今は切り餅もSNSの時代ですからね、誹謗中傷が絶えないんですよ、きっと。
あ、待って。馬頭切り餅かもしんない。馬頭暗黒星雲ってあるじゃん。あんな感じでさ、形が馬の頭になってるとか。でも焼いたら膨れるから関係ないよね。
……ってさ、ほんと私ってろくなこと考えずに生きてるよね。
イカワミヒロさんのエッセイ『カクヨム作家さんに聞いてみた』って読んだ?
この中でインタビュー受けて初めて気づいたことがあるんですよ。
>インタビューでも如月さんがさらっと披露していらっしゃいましたが、「周富徳のシュート見とく」とか、御本人は無意識にそういう韻を踏む言葉やリズムを常にスキャンしてるんじゃないでしょうか。
(https://kakuyomu.jp/works/16817330656272791171/episodes/16817330666269991302)
これ、やってんじゃん。NATOの切り餅とか! しかもその後の設定まで考えてる、全くもって無駄な設定だけど!
これ見抜いたイカワさんてすごくない? それまで全く絡んだこと無いんだよ。『いち癇』読んだだけで如月の変な癖を見抜いちゃったの。
案外自分を一番知らないのは自分かもしれないね……
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