月（つき）の兎（うさぎ）よ

おまえは、今　何処（どこ）にいるのだ

わたしの愛（いと）しい姫君（ひめぎみ）は　月の何処（どこ）かに　いらっしゃるのだろう

おまえは、知っているのだろう

月の兎よ　

おまえは、今　餅（もち）をついているのか

その餅が

姫のためだとは言ってくれるなよ

姫が結婚など　してはいけないよ

それは　わたしが　ゆるさないよ　　

月の兎よ

月にいる姫の美しい姿が　此処（ここ）からは見えないよ

わたしには姫の輝きが見えない

姫を欲して　変わってしまったわたしの姿も

姫を想って　やつれてしまったわたしの姿など　月からは見えないのだろう

月の兎よ　

答えてはくれないのか

堪（こた）えれない　わたしの気持ちに　応（こた）えは得（え）られないのか

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい