(四)-2(了)

「タレコミがあったんだよ。お前がここにいるってな。だからしばらく泳がせてやったんだ。晩飯はうまかったか」

「クソっ!」

 北郷は悪態をつかずにはいられなかった。

「俺らに連絡してきたのが、誰かわかるか、お前?」

 高齢の刑事がさらに続けた。イライラさせられるニヤケ顔と言葉使いだった。

「誰だ、そいつは」

「実は、具体的には誰かはわからん。公安部から回ってきた情報だからな」

「公安? どうして公安なんかが?」

「知るか。公安が目を付けていたということは、お前ら何か企んでるんだろう。きっちりゲロさせてやるからな覚悟しておけ」

「そんなバカな」

 そして若い男性刑事と高齢の男性刑事に両腕を掴まれて、北郷は逮捕された。


(了)


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思惑と陰謀のセーフハウス 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi

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