恋愛小説嫌悪症

桜雨るび

私の答え

「ねぇ、琴音、恋愛小説どう思ってる?」学校から駅の帰り道うちは、瑠華から唐突にそう聞かれた。

「うちは結構恋愛読むし好きだけど、どうしたの瑠華。」

「いや、ただ単に琴音が恋愛小説のことどう思ってるのかしりたくて。わたしが恋愛小説あんまり好きじゃないから他の人の話も聞いてみたかったってのはあるけどね。」

と瑠華は自重の笑いを浮かべた。その後に、

「恋愛小説とか好きじゃないっていう人珍しいって思ってて迂闊に聞けないんだ。考えすぎなのかもれないけどね。それでも、琴音の恋愛小説好きって聞いたとき『やっぱりね』って思っちゃったんだ。他の人にも聞いていたら、わたしから聞いていたにも関わらず会話途中から放置してたと思うから琴音に聞いてよかった。琴音なら会話が適当になっても、いつもどうにかしてくれるしね。」

そんな、仲が良いと思ってますと言いながら、もしやうち舐められてます?と感じることを言ってきた。そのお返しとしてうちは、

「ならさ、瑠華はなんで恋愛小説好きじゃないの?」

と、そう聞いたら瑠華は待ってましたと言わんとばかりに捲し立てるように

「単純明快、大体の結末が予想ついてしまうから。ハッピーエンドだろうがバットエンドだろうが大体の結末が予想ついてしまうのが楽しくないんだよね。たまに、そう来るのかって思うときもあるから全部が全部が嫌いってわけではないんだけど。それでも似たり寄ったりでパターン化してる感じが恋愛小説を好まない理由かな。しかも、恋愛が絡む小説が多いっていうのも有るかも。読み飽きたというか、他の刺激がほしいてきな?」瑠華はその後「矛盾してると分かってはいるけど、それでもわたしの考えを覆してくれる、そんな恋愛小説がないっかって結構読んだりはしてる。」

そう言い終わった瑠華はうちに

「琴音はなんで恋愛小説が好きなの?」と聞いてきた。最初、瑠華にこの話題を振られたときから聞かれることは分かっていた。それでも瑠華みたいに明確な理由がない。だからうちは、

「『わからん』それが正直なうちが恋愛小説を読む理由じゃないかな。明確な理由はないけどつい読んじゃう、それが今あるうちの出せる感想だと思う。」

瑠華はうちの出した答えを聞いて、少しびっくりしたような表情を見せたあと

「そっか、それが琴音の答えか。なんか思っててのと違った。てっきり琴音のことだから、分かんないけど恋愛のしてる人とか見てるの楽しいからって言うかと思ってた。でも琴音の意見も分かる気がすすな。琴音、わたしの話に付き合ってくれてありがとう。意味不明って取り合ってくれない可能性もあるって思ってたからこうして琴音と話して回答まで貰えて嬉しかった。」そう言ってくれた瑠華にうちも「瑠華の恋愛小説に対しての価値観とか知れて楽しかった。だから、瑠華、うちなりの答え出たらまた話そうよ。」と言た。

近くに咲いていた桜がお祝いするかのように、桜の花を散らしていた。

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恋愛小説嫌悪症 桜雨るび @sakuraame23

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