ときめきに手を伸ばすように、シャッターを切ったら

壮大な物語のプロローグという感じ。
初めてカメラを触れ、シャッターを切った様子や、初撮影したときの感動が丁寧に描かれている。

「私は絵が大嫌いになった」 
中学までは絵の手ほどきを受け、二日に一度は絵を描き続けてきた。
単純に、九年間で一六四三枚の水彩画を描いてきたのだ。
しかも美術教師の母親の手ほどきを受けて。
普通の子とくらべたら、かなり上達しているはず。

初撮影の手順の描写は、実際に撮影をしている様子が目に浮かんでくる。
表現が機械的な表現がされているのは、デザインにおける論理的思考力も母から学んだ影響があると考える。

「あの謎の自信はいったいなんなんだろう」
その自信について、追いかけるように撮影していくのだろう。

絵を描くとき、構図を決める。
カメラも同じで、構図を決めてからシャッターを切る。
この感覚が同じなのだ。