神崎様
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
客船や貨物船が係留される港。
海辺から駆け上がっていく坂道。
そして山の傾斜に立つ数々の洋館。
巧みで繊細な描写により、読むほどにそれらがまるでどこかで観たことがあるような懐かしい風景として想起されました。
またオリバーと湊音くんが交わす会話には年齢の垣根を取り払った親密さが感じられ、彼らの間には確かな友情が存在していたのだと思えました。
オリバーがどうなってしまったのか、彼が姿を現さなかったことにより読み手は彼の行く末を案じ、なおさら物語の世界に引き込まれてしまったように感じます。
そしてラスト、思いつきで口にしたはずの夢を湊音くんが叶えていたことで、彼が忘れることなく胸の奥にずっとオリバーの居場所を作っていたのだと思えて柔らかな感動が押し寄せました。
とても美しくノスタルジックな作品でした。
読ませていただきありがとうございました。
※ 僭越ながら誤字の指摘をさせていただきます。
丘の上の洋館<郡> → <群>であると思われます。
作者からの返信
那智さま
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
本作へ大変丁寧で心温まるご感想をいただき感激しております!
作品を書きながらこの感じが伝われば良いなと思っていたことを的確に書いていただき、作者冥利につきます。
またご丁寧に誤字を教えていただき、修正することができました。
那智さんのような読者に恵まれたことは幸いです。
レビューもありがとうございました!
優しく、美しい物語でした。
オリバーは幽霊なんじゃないかと思っていたんですが、例え何者であっても、彼が湊音くんの友達であることに違いはありませんね。
丘の上の洋館や、二人がスコーンと紅茶を楽しんだ庭の様子がありありと目に浮かぶようで、その優しく穏やかな時間をすごく温かく感じました。
半年ほど前、愛知県の明治村という重要文化財の建物がそのまま移設されている野外博物館に行って、ちょうど同じような建物を見学しました。
すごく素敵なおうちで、当時の異国への憧れみたいなものも肌で感じて、きっと湊音くんもそんな気持ちだったんじゃないかなと想像しました。
心に沁みる物語、一年の締めくくりのタイミングで拝読できて良かったです!
作者からの返信
丁寧な温かいご感想、ありがとうございます。
オリバーは幽霊説、考えていませんんでしたが、お化け屋敷とフラグを立てていたのを思い出しました!
どうなのかなと読んでいただく楽しみもあったかもしれません。新しい発見をありがとうございました。
明治文化村、洋風建築が並ぶ博物館と聞いたことがあります。
機会があれば訪問してみたいです。
子供にとっては驚きの世界なのでしょうね。
素敵なご感想をいただき、今年最後の良い思い出ができました。
本作も一気に読み終えました。大変面白かったです。