月曜日1限目 部活動1?日目
あれから三日が過ぎた。そう、あれから。そして今日は部活動1?日目。
(真も先輩たちもいい人だし、あれはたまたまだったんだよな?多分)
そんなことを考えながら登校していた。すると曲がり角で
『ドン!』
まるで少女漫画のような展開が起こった。かなり頭が痛む。相手の方は大丈夫だろうかと相手の方を見ると同じ海聖高校の同学年の生徒だった。
「す、すみません。少し考え事してたもので」
「いや私こそ。飛び出してすみません。急いでいるのでそれじゃ」
そう言い放ち彼女は走っていった。
(俺も行くか~)
と、あくびをしながら時計を確認すると、8:43。登校時間は8:45...
(やばあぁ)
この日初めて俺は遅刻をした。
放課後、部室にて。
朝にあったことを真に話した。
「ははははは!そ、そんなことあったのかよ。くそ面白いな!」
「いやマジで許せん!それに今日の遅刻者は俺だけだったから、あいつは間に合ってるんだと」
「いやあ、ドンマイドンマイ。まあそんなこと忘れてオセロでもしようぜ」
オセロを始めてから5分、俺の圧勝に終わった。
その瞬間、梅野先輩が入ってきた。
「オセロか、どうせ真が完敗してんだろ?」
「梅野先輩、なんでわかったんですか?」
「こいつバカだから頭脳戦は無理なんだよ」
「バカはないでしょ、バカは。勇が強すぎるんだよ。先輩も勇と勝負してみてよ」
「よし勇、勝負だ」
10分後、接戦の末、勇の勝利に終わった。
「いやあ、先輩強かったっス」
「本当に強いな」
「ほら言ったでしょ。強すぎるんだよ勇」
「そんなことないと思うけど...」
そんな感じでわちゃわちゃしているとドアが開き、桃原先輩と破魔先輩、そして見覚えのある少女が入ってきた」
「先先輩方、こんに、ち、わぁあああ!お前!朝ぶつかってきたやつ!遅刻しなくてよかったですねぇ、この野郎」
「時間の管理ができなかっただけでしょ?この野郎」
「逢ちゃんと勇君は仲がいいんだね」
「桜、これ見てそれはないでしょ」
「そうですよ桜先輩。変な冗談はやめてください」
「なんでお前が嫌がってんだよ!被害者は俺だぞ」
「責任転嫁は小学生のうちに卒業しな。私が悪いって100%いえるわけ?あの時間にあんなとろとろ歩いてたらどっちにしろ間に合わなかったでしょ」
(くっ、何も言えない)
「まあまあ、勇も逢さんも落ち着いて。ここは理想部なんだから穏やかに過ごそうよ」
「そうだぞ勇、逢よ。そんなに喧嘩をするならこのオセロで決着をつけたらいいではないか」
「私はそれでいいわよ、あんたは?」
「後悔すんなよこの野郎」
20分の接戦の末、32対32で引き分けだった。
『納得いかん!』
「もっかい勝負だ!」
「いいわよ、決着をつけましょう!」
「意外と相性というか、仲いいな。勇と逢」
「真君もそう思うわよねぇ」
「桜よ、喧嘩するほど仲がいいってのは2次元の世界だけだぞ?あの二人に言ったら悪化するだけだ」
「愛実、こいつらがやらかさないように二人で止めるぞ」
「共闘か、いいだろう。手を貸してやる」
ここに謎の共闘戦線が生まれた。
「はーちゃん、何の話してるの?」
「何でもない。それよりもう一つオセロあるから勝負しよう」
「いいよ、勝った方がジュースおごりね」
「ふむ、負けられないな」
桜は任せろとサインを送り、2人はオセロを始めた。
「真、俺たちは将棋でもするか?」
「いいっすよ!ハンデください」
最初の威勢のいい返事を一瞬でかき消すかのような発言。そして2人は将棋を始めた。
そして気づけば18時になっていた。
「そろそろ帰るぞ~」
そう梅野先輩が言い、片づけをして帰った。
帰り道。
「結局、決着つかなかったんだな。勇も強いのに佐河も強いな」
「12回連続引き分けとかどんな奇跡だよ。次は別のもので決着つけてやる」
「まあ仲がいいことはいいことだ」
「ナカガイイ?ちょっとよくわからないけど、楽しくないわけじゃなかったな」
「そういうことだよ勇。じゃあまた明日な」
「じゃあな」
どういうことかと考えながら終わった、部活動1日目だった。
俺の理想の学校生活 AIDA・F @hayamelove
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