第44話 お前らアホやな

「でもそれって枠一つ減らすってことですよね。ダメですよ、吹けもせんのに」


「あかんか」


「ダメですよ」


「それやったらサポートメンバーは?」


「足腰立たない人間がどうサポートしろと?」


「うん、光君の言うことも分かるけど、先日光君がビデオ通話で全国に立ちたいって言ったからどうにかしてくださいって」


「そんなこといつ言ったんですか」

 待てよ、なんかその話は言った事があるかもしれない。


 そうだ。金賞団体集を買えばいいってことを思った気がする。でも関西の話じゃなかったっけ。アレは違うのか。


「光、頼むわ。乗ってくれ」


「ちょっと今日は大人の交渉やから止めとけ」


「先生が変な提案をするせいで光も返されへんのですよ」

 あれ、いつも夜七時から八時。帰って自宅からやっていると思っていたが、学校だったのか。


 今日はだるいとか、リハビリの先生がとか。

 そういう話を何回も彼らはわざわざ私服に着替えてしてくれていたのか。気を使わせないように、アホやな。

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