第43話 突然の申し出

 僕はカッコいいのか。

 いつもの時間になった。パソコンをつける。

 やほー、元気ー。そんな声が聞こえた。


 去年ボロボロだった大阪府大会を突破したことの報告だった。ネットで知ったと言ったら、幸せの二乗やなっと聞こえた。


「もしさ、俺らが全国に行ったら見に来てくれる?」


 笑いながら当然やろと言った。ま、大阪府大会がシードで関西からの学校が行くのが全国やからなと思ったのが八月の中頃。


「速報 八神高校吹奏楽部初の関西代表」

 マジかよ。聞いてないぞ。行くのか、全国に見に行くのか?


 母さんに言うと、ともかくチケットだということになり、焦っていたら九月末にチケット抽選がある。九月末に応募しようということにした。名古屋センチュリーホールまでどうやって行くのだ。


 いつも六時に帰る母さんが帰らない。

「今日は特別な話があるそうよ」


 画面に監督と坂下先生が写った。思わずお久しぶりですと声をかけた。向こうもその説はと謝罪した。しばらくの譲り合いの後に監督がこのようなことを言った。


「光君、コンクールメンバーとして舞台に乗ってほしい」

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