第24話 姉の視線
「ということで光君には勉強はさせずにグラウンドや体育館で出来る限りでサポートをしてもらいたいと」
懇談会で担任である監督がそう母に告げた。
「光はそれがしたいん?」
「母さん、みんながそういう風に言ってくれてるんやから、何とかしてあげたいよ」
「上手いことやってるな」
姉も同席である。あまり余計なことが言えない。そこに監督も母も拾いにいかない。おそらく気づいていないが、内心はかなりドキドキしている。
「もちろん手が空いている時は勉強しようとは思っているよ」
「まぁ、それは当然やわな。怪我の功名にせんとな、みなも浮かばれへんよな?」
あぁ、もうやりづらい。
「光のお姉ちゃん可愛いよな」
校内で見かけたのだろう。止めとけ火を見るぞ。俺が。
見てくれのいい男相手だとちょっと仲良くなったら絶対に「弟が仮病使って」とか、言うに違いない。
大体、姉の案の方が何倍もマシだ。
「止めとけ火を見るぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます