第23話 そうだ試してみよう
次の日、棚西は教室に来た。
「本当に申し訳ございません」
周りのクラスメイトはこちらを見ていない。どうやら噂は回っているようだ。
「ホンマになんて詫びたらええんか」
「おいおい泣くなよ。棚西の
泣かれたら出来すぎやと思われるからやめろ。
「ホンマに俺、ホンマに」
あ、そうやこれ試してみよ。僕はおもむろに杖を使い立ち上がり、棚西の
「え」
「今ので終わりや。もうこれ以上僕は何も言わんし、棚西も謝る必要はない。今のは仕返しや」
ほれ、廊下に何人かおるん分かってんねんぞ。これで手打ちになって、ますます株が上がる。最高やん。
棚西は復帰、わだかまりはあるようだが、僕の平手打ちが効いているようで、積極的に話しかける部員もいる。
「光さん、お願いします。勉強せんと練習見に来てください」
は? 何、せっかく人が姉の管理下で勉強する覚悟出来たのに来いと? もうすぐ涼しくなるけど、まだ暑いぞ。
「やっぱり俺らも光がおらんと熱入らんしな」
小藤先輩、そんなことを言うな。
「ということでよろしくな。光」
他のメンバーもうそう言っている。
しまった株を上げ過ぎた。冷暖房完備の自習室が…。
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