第15話 通し練習の乱用
「じゃ、ランスルー。もう一回、こんなんで満足していたら全国なんか行かれへんで」
ランスルー、本番通り。
これで三回目だ。明らかに集中力は切れているし、このまま何回やっても良くはならないだろう。
体育館練習なので水撒きの必要ない僕が与えられたのはビデオ係だった。とは言っても行う作業は時間になったら、ランスルーを撮るだけのお仕事だ。
皆、熱心なもので休憩中も休憩しない。
休憩くらいしろよ。アイスクリームの自販機あっただろ。食って休憩しろ。
そんなに全国って重要か? その辺でカエル小枝でつついている方数十倍楽しいぞ。
「次こそやるぞ。気合いれて行こうぜ」
返事は揃う。体育館は熱気で大変だ。大人は換気しなきゃと言い今更の換気をし始めた。もう遅いよ、何人かなっているって。
大人たちの黒い相談が始まる。このままさせても倒れる部員が出て士気が下がる。ここは単に休憩をさせるのでは無くて、発破をかけてから休憩をさせた方がいいですね。
「分かった。これ以上やってもええもん出来ないから休憩取って」
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