第12話 満月の夜

『月はいいな......』


ポケットには目隠し帽とジャックナイフ。


 後ろのバンバ-が少し凹んだ車に乗り込んだ。


「人は傷ついても一見治ったように感じるが消えない傷もある。15歳の時縫った5針の傷はもう一生消えないだろう」


 さてと、そろそろ行くか!


 そうしないと気が済まない病気だから……



 病院に着いたら後部座席に積んだ灯油を黙殺し、火災報知器のボタンを力いっぱい押して、薄光している折り紙ある部屋へと走りぬけた………みんなの道しるべになってくれ。



 次の日はいつも通り出勤した。まだ契約期間満了ではなかったから。

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柵の中の燃ゆる日々 嶋 徹 @t02190219

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