爆音糸電話

鳩鳥九

第1話

言葉と気持ちの堤防

いっぱい貯めて世界に放つ

地球を震わす拡声器

言わなきゃ聞かなきゃ伝えなくっちゃ

心臓ダイレクトな赤い色を、衝動込めて引っこ抜く


ここから工作、焦らさず交錯

テープとコップで糸電話

赤い色で繋げる糸電話

世界に届く私だけの拡声器

考えるのは後にして、キミの耳まで大音量


糸の長さは気持ちの長さ

言葉と気持ちの堤防の水かさ分の激流だ

揺れろ揺られろ揺さぶる音め

位相を合わせて気持ちを化かす

糸惜しいから早く聞いてね


周りの目なんて死角に閉じて

共感共振していく脳までどぼん

繋げ繋がれ繋がる音め!

駆け引きなしのシンクロリズム

簡素な受話器待ってるからね


始まって、始まって

藍色模様の音符を打ち抜け

世界に放て拡声器

膨らませて、拡張して

歌でも声でも曲でもいいから


形にもなってない気持ちの圧力を、

キミにまで


……せーーーーのッ!


「もしも~~~し! 」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

爆音糸電話 鳩鳥九 @hattotorikku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ