第9話

 東征軍は、尾張の先を海路で目指すこととなった。

 実のところ陸路にするか海路にすべきか、皇子はおろか大伴武日ですら決めかねていた。尾張の東はこれまであまり大和の影響が及んでおらず、国々の情勢や地勢、気候についても判断材料が余り多くなかったためだ。

 一般論として、尾張から東を目指すとすれば大きく二つの道がある。一つはこのまま北上して飛騨から科野へと内陸の山沿いを辿る道、一つは三川・遠江・駿河を海沿いに進む道。尾張の東は、その国名に違わず山脈を水源とした大河が幾つも海に流れ込んでいるため、渡河の労力が凄まじい。激流を避けるために水源の山沿いを進むか、いっそ海路を辿るかという二択である。東山道、東海道とはよく言ったものである。

 実のところ、山側海側どちらの国々も今のところ大和と直接の緊張関係にあるわけではないが、さりとて友好的と言えるほど深い交流があるわけでもない。鉱山資源が豊富で大陸との交易も盛んな北陸道とは、昔から交流も活発なので、気分的にはそちらに近い東山道の方から押さえておきたかったのだが、武稲種と宮簀媛に言わせればその選択はなしだという。

 険しい山々の連なる東山道側は、早くも雪に覆われ始めて危険が多い。一方で海側は今は冬で川幅も狭いが、そうは言っても沿岸には湿地が広がっており、ましてこれから春に向けて水量も増える。橋など到底期待すべくもなく、河川で勢力が分断されているため渡船の確保も思うままにならない、となれば海路を辿るのが順当とのことだった。武稲種は水軍の提供を快諾し、東国への随行を買って出てくれた。

 尾張から駿河、相模の沿岸は、いずれも豊かな漁場があり、それぞれ独立してやっていけるため実はあまり交易が活発ではないらしいが、それでも漁民を中心に海上を経由したやり取りはあるらしい。

 「なあに、その気になれば五日もあれば尾張には戻れます。それに俺が留守にしても、宮簀がそつなく守りますし」

 肯首するのも憚られるが、すごい説得力だ。

 皇子を含めた本隊の人数は少ないが、船は二艘用意された。主要船には大将である皇子と、大伴武日と稗田と弟橘媛と俺。副船には副将の吉備武彦と、弟彦と大と吉備の三従者。沿岸沿いなので危険は少ないとはいえ、分散は必須だ。武稲種は皇子の方の船に乗り込むことになり、従者たちを使いながらあれこれと準備を進めてくれる。それぞれ水主が十人は必要な大型船で、櫓だけでなく帆まで掛かった立派な船だ。

 「ご武運をお祈り申し上げます」

 「媛もどうか息災で」

 見送りにやってきた宮簀媛は、いつもながらの無表情だ。すっかり普段の落ち着きを取り戻した皇子は爽やかに微笑むが、宮簀媛は眉ひとつ動かさない。

 「宮簀、兄さまが不在でも寂しがるでないぞ。兄さまも尽力してくるからな」

 「お兄様は皆様にご迷惑をおかけしないように」

 暑苦しく絡む建稲種に、宮簀媛の冷ややかさがいっそ心地いい。うん、尾張の留守は安泰だろう。

 極寒の中の船出である。よく晴れた波の穏やかな日を選んではいるが、そうは言っても寒い。皮衣に襲を引き被り、いよいよ船出のときを待つ。鳴り響く銅鐸の音、見送りに港に集まった人々の歓声。その中に一際どよめきが走る。

 船出を征く舳先に弟橘媛が立った。白い裳裾をなびかせて真冬の波飛沫を浴びながら、ただでさえ強い海風をものともせずにすっくと背筋を伸ばす。領巾を振りながら舞う姿は美しいというよりいっそ凛々しく勇ましい。これだけ揺れる船の、それも不安定な舳先で一切ブレないとか、一体この人どんな体幹してるんだ。

 「まことに弟橘媛はすぐれた巫女ですね。船旅の持衰となれば、海路に慣れている我々でもさすがに怯むものですが」

 「持衰?」

 媛にぼんやりと見惚れていた皇子が、武稲種の聞き慣れない言葉を聞きとめた。大伴武日が少し首を竦める。

 「皇子、魏への使節を送る際の風習はお忘れですか。まあ今日日、遣使の往来があるのは呉朝の方ですが、それでも大して変わりはしませんよ」

 「……あ」

 皇子が柄にもなく慌てたような顔をした。大伴武日はひょいとこちらを見遣った。多分、俺の隣の稗田におさらいを兼ねて説明させようとしたのだろうが、生憎稗田は乗り込んだ瞬間から早速船酔いになりかけて船縁にへばりついているので、仕方ないといった調子で大伴武日は説明してくれた。こういうところをめんどくさがらない辺り、ホント師父気質だな。

 「昔、日向や熊襲の国々が大陸に使節を送るときは、無事の船旅を祈願して祈祷する持衰を置いたのです。あちらでは女人を船に乗せることを忌むので覡が担いましたが」

 ほう。昔から船には祈祷の担当がいたってことね。

 「まあ船が沈みそうなときには海に投げ込まれたとも、航海が済むまでは虱も払わず精進潔斎していたとも伝わっていますが」

 いざというときは責任取れよってことか。まあでも、そもそも船沈むときは全員まとめて沈むんじゃないかなって思うし、遠洋めがけてひた走る船の中で快適で清潔な暮らしを保つのもそこそこ無理があるだろ……と言うのは、多分大伴武日もわかってるんだろうな。

 まあそんな他人事みたいなことを言っていられるのは、今回の航海の無事に高を括っていられるからだろう。沿岸沿いの上に、潮に慣れた尾張の水主をこれだけ潤沢に準備してもらえていることはありがたいことこの上ない。そこに度胸と舞がずば抜けた巫女がいれば、根拠のない安心感が半端ない。

 「ご安心くださいませ。この弟橘、忍山の名に懸けて皇子の旅路の安全はお守りいたします」

 舳先の逆光に輝く媛の笑顔が眩しい。皇子はと言えば、先ほどの大伴武日の言葉で可哀想なくらいうろたえた挙句、媛の眩しさにやられている。無自覚なのって全く手に負えない。

 さて、尾張を後にした船は一路南を目指した。尾張の南は二つの半島が外洋の荒波を遮るように伸びており、そのうち東側の阿曇の半島の突端でまずは一夜停泊する。翌日はいよいよ外洋を沿岸沿いに慎重に東へ進む。

 船酔いで死にかけていた稗田がようやく顔を上げられるようになってきたので、水を飲ませてやると、ぼんやりと海を眺め始めた。海風は冷たいが、それでも南から刺す陽脚は意外と鋭い。白く煌めく波濤をずっと見ていると、次第に目が痛くなってきた。ふと目を上げて、思わず息を呑む。

 「おい、稗田、大丈夫か、あの山見えるか?」

 ぼーっとした顔で稗田は顔を上げるが、目の焦点が合ってない。代わりに大伴武日が手庇を掲げながら朗らかな声を上げた。

 「ああ、こんなに遠くからも見えるものなのですね」

 「そうですね、見事なものです。大伴殿もご存知でしたか」

 「実際に見るのは初めてです」

 普段はあまり愉快そうな様子を見せない大伴武日が、こんな笑顔を見せるのは初めてだった。子どもみたいな顔もできるんじゃないか、このおっさん。

 ふと俺たちは示し合わせたように舳先を見遣る。弟橘媛はまるで女神のようにすっくと立っている。そこに注がれる視線を辿れば、うちの皇子はその眼差しを隠そうともしない。主君に申し上げて許される詞じゃないが、大丈夫かなこの子。

 「皇子、ご覧ください。あの嶺が見えますか?」

 吹きっ晒しの舳先で寒風に煽られて、弟橘媛の頬は見てわかるほど紅い。笑顔で振り向いた媛の高らかな声に、弾かれたように皇子は目を瞠った。

 「あ、ああ……」

 「あの煙を吐くのが、きっと福慈の嶺でございますね」

 弟橘媛は眩げに目を細めて、顔にかかる髪を掻き揚げた。岬の奥には遠く山々の稜線が連なり、その奥に霞むほど遙かな浅葱色の高峰が聳えている。その頂きから雲のように細くなびく噴煙を吐き出す姿の厳かなこと。

 「弟橘媛もご存じであられたか」

 些か意外そうに大伴武日は呟いた。無理もない。東国のことは先の武内宿禰による先遣隊が派遣されるまで、あまりにも詳らかにされていなかった。古今の史料に精通している大伴武日や、その手ほどきを受けている大や稗田、そして皇子であれば予備知識があっても不思議なこともないが、女人の身で知っているとはやや不思議な印象がなくもない。

 嫣然と弟橘媛は微笑みながら、嶺の吐き出す煙を煽るように長い睫毛を瞬かせた。

 「あの麓は、わたしには浅からぬ縁でございますゆえ」

 一際強い風が吹き、船が一瞬揺れる。弟橘媛は揺るぎもせずに姿勢を整えると、再び領巾を風に遊ばせながら舞い始めた。

 思わせぶりな台詞のその試は、まあいずれわかることになるだろう。



 日暮れも近づき、船は岸辺を目指す。岸の向こう側に広い水辺が横たわるので、まだ半島を出ていなかったかと疑ったが、穏やかに凪いで煌めく水面は名に聞く遠江淡海だ。元々水運の拠点なのだろう、駅站そのものはかなり広々と使えそうだ。

 ただ一つだけ、いささか困った問題があった。

 「――誠に申し訳ありません」

 既に自分の国を出ているにも関わらず、武稲種は申し訳なさそうに駅站で肩をそぼめる。その隣で平伏しているのは、この駅站の責任者だろう。

 厨房には米や塩や醤、酒や醤の用意はあった。ただ、事前に依頼していた魚や肉類が足りなかったのだ。

 確かに新鮮な食材を用意するのは季節柄難しいだろう。何より、こちらも水主たちがいるので食い扶持は確実に増えている。急な発注増に応えるのが難しいことくらいは弁えている。

 「そんなことより、この地では民は飢えているのではあるまいな? だとすればここで取り上げるのは本意ではないぞ」

 皇子が気遣わしげな声をかける。責任者と思しき翁がますます小さくなった。

 「畏れ多いことでございます。日によって不漁となることはあるのですが、この時期は豊漁に恵まれることが多いため、予断を招きましてございます」

 「困窮しているわけでないのだな?」

 険しい顔で皇子は念を押す。

 まあ、察するにこの辺りの生産は漁労に全振りしており、稲作もあまり盛んではないらしい。日持ちのする米は事前に交易で手に入れたのだろうが、潮が悪ければ不漁は何日か続くこともある。不運にしてそういう日に当たるということもあるだろう。

 皇子は、駅站の翁にくれぐれもこちらは気にするな、民の暮らしに気を配れと厳命する。うん、うちの皇子はそれでいい。

 さて、既に日が翳っているので弟彦は険しい顔をしながら矢筒を検める。水辺なので水鳥はたくさんいるが、日暮れの中で射止めた獲物を回収するのは難しい。犬養と弟彦とで相談しているが、犬たちに取りに行かせるとしても、あまり数は期待できない。

 別にこっちは一日二日くらい平気なのだが、世話役の格好がつかないのは可哀想だ。まあ手持ちの保存食を使って嵩を増せば何とかなるかな、などと思案していたところ、弟橘媛が手桶を両手に下げて厨の裏手から入ってきた。

 「随分と豊かな湖ですね。ちょうど季節のものがいましたよ」

 そもそもいつの間に出かけていたのか。怪訝に思って覗き見れば、桶の中には黒くて長いものがうねうねと身をくねらせている。え、ちょっと待って。

 ふと何気なく覗き込んだ稗田が悲鳴をあげて腰を抜かした。大と弟彦が恐る恐る覗き込み、騒ぎに気づいた皇子が様子を見に来た。弟橘媛は楽しそうに眺めている。

 「皇子はうなぎを見たことはありませんか?」

 「うなぎ?」

 無理もない。宮中ではむしろ夏の食材だし、もっぱらぶつ切りの上で串焼きになっている。元の姿は想像もつかないだろう。

 「見た目は蛇に似ていますが、わたしは好きですよ、精気が増します」

 首を傾げる皇子に、弟橘媛は晴れやかな笑顔を見せた。こらこら皇子、そんなに赤面すると色々バレますよ。

 ――というわけで、今夜の食材は決まったようだ。思いもよらぬ高級食材のお目見えだ。

 とはいえ捌くのは割と手間がかかる。寒いが数も多いことだし、厨の外側で作業することとしよう。俎と水を張った桶を用意して並べておく。おー、寒い。暗くもなってきたし、篝火の傍で作業しよう。ついでに移動式の炉も持ち出しておく。

 まずは掌にぼろ布を巻きつけて滑り止め。ぬるぬると逃げるうなぎを掴んだら、頭を地面に叩きつけて気絶させ、鉄釘で板に縫い留めると小刀を胸鰭のところから差し込んで一気に開く。わたを外して中骨を剥がし、頭を落として血わたをこそげる。

 「おー、さすがだな」

 「鮮やかなお手並みですね」

 どういうわけだか今日は一同に取り囲まれている。変に期待値を上げられるのは勘弁願いたいのだが、うなぎに怯えていたはずの稗田まで大伴武日の後ろに隠れながらこちらを覗き込んできている。

 「まあすごい、中骨を外したら食べやすくなりますね」

 感心したように弟橘媛が頷く。さっき好きだと言ってたくせに、この口ぶり、もしかして今まで中骨ごと食べてたんだろうか。

 それにしても数が多い。普段の魚は弟彦や楽々森辺りも捌けるので手伝いを頼めるのだが、さすがに今回は無理だろう。ひたすら捌くだけで腕に来る。

 「さて、血は毒があるのでよく洗いますね」

 片っ端から捌いたうなぎは、水でよく洗い流す。開いた身は食べやすい大きさに切って、何本か串を打って広げてしまう。肝は美味いし中骨も出汁が出るので、洗って鍋に入れて火にかけておく。

 「こんな姿になると、さすがに魚だな」

 「すごいな、ちゃんと食い物に見えてきた」

 なぜか楽々森と留玉が楽しそうにはしゃいでいる。普段はすました従者たちだが、こうしてみると気のいい若者だ。

 さて、米の仕込みだ。見れば特級品とはいかないが、しっかり水を吸わせて酒を足せば十分ふっくら柔らかくて美味くなる。甑に仕込んで竈にかけて、後は火加減だけ気を配っておけばいい。

 寒さが厳しくなる頃だからか、駅站には炭がしっかり用意されていた。食材が少ないからあんまり歓迎されていないように思っていたが、何だかんだで不便がないよう配慮してくれているあたり実にありがたい。炭は炉に入れて火を入れると、赤々とした灯火が温かい。薪よりもうんと高熱になるこの炭火の遠火で、串に刺したうなぎはじっくりじっくり焼き上げる。

 この隙に、一番肝心なたれの仕込みだ。醤を酒で伸ばし、刻んだ大蒜を入れる。ふつふつと煮立ってくると、甘くて香ばしい香りが立ってくる。よしよし、いい具合だ。

 隣で覗き込んでいた弟彦がきらきらとした眼差しを向けてくる。つくづく子犬だ。

 「やった、おれこれめちゃくちゃ好き。な、大と稗田も好きだろ」

 「食べたことない」

 「食べたことなくてもわかるだろこれ。絶対美味いって」

 ちびっ子どもがわちゃわちゃする姿、どうしてこんなに癒されるんだろう。最初は腰が引けていた大が、感心したようにうなずいた。

 「正直なところ、うなぎの見た目には最初驚いたのですが、捌かれる工程の方が衝撃的だったので、もう平気になりました」

 「そもそもうなぎは美味しいからな、食べたらもっと驚くぞ」

 なぜか誇らしげな弟彦は調子に乗ってて実に可愛い。そうしている間に、香ばしい匂いが立ってくる。やばいな冬のうなぎ、夏に比べても全然脂ののり方が段違いだ。今回は敢えてしっかり焼くことにする。自分の身から出た脂で皮の部分が香ばしく焼きあがるし、身はふっくらと柔らかそうだ。仕上げにたれを塗る、と言うより身の上に載せて、少し焦げ目をつける。

 炊きあがった白飯をたくさんの椀によそい、次々と焼きあがったうなぎを載せる。たれをかければ、うな丼の完成だ。

 「俺わかるぞ、これ出来たてが一番おいしい奴だろう」

 皇子はなぜか自信満々にそう言い放つと、厨房の隅に座り込んでその場で頬張った。こら、お行儀が悪いでしょう。

 「すごい、身がふわふわで皮の焼き目が香ばしくて、脂の甘みが全力で染みてくる。やばいぞこれはめっちゃくちゃ美味いぞ」

 取り囲んでいた一同がごくりと生唾を飲み込む。

 次に取り分けた分は副将の吉備武彦……と思ったら、すかさず弟橘媛にそれを渡す。ああ、なるほどそれが正解だ。

 「本日の最殊勲は媛です。お先にどうぞ」

 「それでは遠慮なく」

 弟橘媛は皇子のすぐ脇に行って裳裾を払うと、ひょいとその場に腰を下ろした。うまうまと箸を咥えていた皇子が、それに気付いて飛び上がるほどに驚いている。こら、お行儀が悪いでしょう。

 「まあ、うなぎの泥臭さや生臭さが全くなくて、すごくいい香り。炙った酒醤の味わいが堪りませんね」

 待て待て、あんたうなぎ好きって言ってただろうが。小骨や臭いとか、嫌いになりそうな部分に思い当たる節がありすぎないか。

 片っ端から配っていくと、なぜか今日はみんな厨房や外回りにしゃがみこんでいる。まあ仕方ない、うなぎが焼ける匂いは一番の調味料だ。寒いので炉の炭火を分けたり篝火を増やして、暖を取りながら思い思いに掻っ込んでいく。

 「あ、完食前にこっちの出汁をぶっかけて食べたら美味いですよ。芹や三葉があるんでお好みで足してくださいね」

 「早く言え七掬脛、もうなくなった。お替わり」

 躊躇なく椀を差し出してくる皇子。ああ、もうホント可愛いなこの人。この食い意地が可愛い。

 それにしても、と俺は皇子の隣で美味しそうにうなぎにぱくつく弟橘媛に目を向ける。

 ――俺の知る限り、うなぎは仕掛けを使って捕える魚だ。群れる魚ではないし、むしろ縄張りがあるから一度に大量に捕まるようなものではない。それをこの媛は、袖も裾も濡らさずに、いとも易々と桶二つ分持って帰ってきた。それも、地元の漁民がうろたえるほど不漁の夜に。

 (何だろ、この感じ)

 「この出汁漬けヤバい、無限に飲める」

 ああ、皇子よ。うちの皇子よ。

 隣で意中の媛が笑ってますよ。とても屈託なく笑ってますよ。

 多分、据え膳ってやつだと思うんですけど、大丈夫ですか我が皇子よ。うなぎをそんなに召し上がって、強壮効果にやられても知りませんよ。

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皇子さまのメシ係 かとりせんこ。 @nizigaro

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