第7話 拙者、お祓いを受ける
拙者、道央道(高速道路)で室蘭方面へ向かっているでゴザル。
知る人ぞ知るお寺があり、そこでお祓いを受けるためでゴザル。
◇◆◇
「万吉くん、ちょっと残念だねえ」
「引越しのための荷造りをするからいいでゴザルよ」
漁協での用を終えた拙者たちは、母の知り合いの家に戻ったでゴザル。
長居しても迷惑ゆえ、適当なタイミングでお暇しようと思っていたのでゴザルが……。
「教室閉鎖と言い、今回の件と言い、ちょっと危ない気がするから、お祓い行った方がいいよ」
「お祓いでゴザルか?」
「そうだよ。海に出るんだ。やっといた方がいいよ!」
こうして、拙者は富枝殿(母の知り合い)の紹介でお祓いを受けに、室蘭の近くのとある町に行くことになったでゴザル……。
◇◆◇
富枝殿が紹介してくれたお寺に着いたでゴザル! 建物の大きさは一般的な一軒家と変わらないでゴザル。
「富枝殿の紹介で来た万吉という者でゴザル」
「君が万吉くんか。うーん、それじゃ中に入って」
拙者は住職の方に案内されて机のある部屋に案内されたでゴザル。
「それじゃ、ここ10年くらいの主な出来事をこの紙に書いてくれないかい?」
「分かったでゴザル」
10年前……、地元の教室に転勤して、その一月後に教室を任されて……
4年前……、閉鎖になった教室がある町に転勤して……
3年前……、コロナで教室が活動停止に……色々きつかったでゴザル。゚(゚´Д`゚)゚。
2年前……、交通事故を起こして、車が廃車になったでゴザル……。軽いムチウチで済んで良かったでゴザル……。
1年前……仕事の手応えが変わって来たでゴザル……。生徒が集まりにくくなって……。
という具合に書いていったでゴザル。
「今住んでいるところに移ってから、変わった事はなかったかな? この辺りで運気が変わったような感じがするな……」
拙者が書いた内容を読んだ住職殿が難しい顔をして言うでゴザル!
変わったこと……そう言えば∑(゚Д゚)!!
「今住んでいるところに移った頃、日が出る少し前に目が覚めたら、白いコートを着た男が寝ている拙者の足の方にいたでゴザル! 顔はフードで見えなかったでゴザル!」
「それだけかい?」
「男の前によく分からない文字と模様が書かれた正方形の何かが現れて、すごい回転をしていたでゴザル((((;゚Д゚)))))))」
今思えばアレが何だか未だに分からないでゴザルが、特に何も無かったので忘れていたでゴザル……。
「祖先の因縁と……、君自身の因縁が絡まり合って運気が悪くなっているみたいだね。状況は分かったから、お祓いしよう」
◇◆◇
暑い……。
護摩壇に燃え盛る炎を見て、拙者は圧倒されたでゴザル!
昔読んだ孔雀王で見たような道具が!
唱えている言葉も孔雀王で……!
炎の熱と真言が拙者を貫く感じが……!
◇◆◇
「体を貫くような凄いものを感じたでゴザル!!」
祈祷を終え、住職殿に感想を話したでゴザル。
「それは、君に絡まっていた因縁が軽減されるのを感じたものだね」
「なるほど……軽減ということは、無くなった訳ではないでゴザルか?」
「そうだね。また時間がある時にお祓いを受けに来るといいよ」
それから、拙者は封筒に入れたお布施を渡して帰ることにしたでゴザル。
封筒の中身は一万円。
これまでのやりとりを見ると、拙者が高額のものを騙し……と見えなくもないでゴザルが、そんなことはないと思うでゴザル。
海に出るという事は何があるか分からないでゴザル。故に漁師は験を担ぐでゴザル。
ただ……、今日のことを富枝殿に話したところ、
「あたしはそんな物を書かされた事はないよ! 何かついてたんだねえ」
と言われたでゴザル!
春先だというのに、少し背筋が寒くなったでゴザル((((;゚Д゚)))))))
◇◆◇
万吉8でゴザル。
昨日の夕方に投稿する予定でゴザったが、遅れてしまったでゴザル。
理由は、今までより長くなった事と、漁の疲れで寝落ちしたからでゴザル。
それと、拙者の個人的な話であるにも関わらず、読んでくれている方が拙者の予想より多く、エッセイ部門で2位になっていたでゴザル!
本当にありがとうでゴザル!!
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