『ボクとオバケの あるいちにち』(夏のえほんこうかん会2024 参加台本)
きょう ボクは オバケを ひろいました
ママと おかいもののかえりみち
ボクたちを おいぬいたくるまが
「なにか」をひいて はしっていきました
たいへん!とボクは
その「なにか」に かけよりました
そうしたら
「とびだしたらあぶないでしょ!」と
ママにしかられました
どうやらママには「なにか」がみえないみたいです
ぼくは いそいで「なにか」をつかむと
ママのとなりに もどりました
ゆうごはんをまっているあいだ
ぼくは その「なにか」を ひろげてみました
ビニールぶくろ みたいなその「なにか」は
しっぽのある ふうせんみたいなかたちをしていて
ひっくりかえしたら め と くち がありました
ボクは きづきました
「これ オバケだ」
オバケは ぺたんこに なっていて
もぞ もぞ と うごこうとはしているけれど
くるまに ひかれて よわっているみたいです
「ボクがげんきに してあげるからね!」
そこで ボクは かんがえました
どうしたら オバケが げんきになれるのかを
そうだ!
オバケは なつに でてくるから あついところが いいかも!
ボクは オバケをつれて ゆうひがあたる
ぽかぽかのへやへ いきました
ボクの おでこや せなかにも いっぱい あせがでてきます
これで どうかな
のぞいてみると
オバケは さっきより シワシワになっています
これはちょっと ちがったみたいです
こんどはシワシワのオバケを おみずをいっぱいいれたバケツに
ジャブン!といれました
まえに おみずで ぷうううって
ふくらむおもちゃが あったのを おもいだしたからです
こんどは おもったとおり ぺちゃんこだったオバケが
まぁるく おおきくなってきました
だけど めは ひらかないままです
じゃあこんどは ひやしてあげたら いいのかも!
ボクは まぁるくなったオバケを れいとうこに いれました
そうしたら こおりのように カチコチに なってしまいました
これも ちょっと ちがったみたい です
カチコチになった オバケを せんぷうきの まえに おいてみました
すると オバケのからだが ぷにぷにしてきました
すこしずつ ぷにぷにになっていく オバケをみていたら
やっと めを あけました
やった!ボクのかんびょうが オバケをげんきにできたのです!
「げんきになってよかったね!」
ボクのこえにびっくりしたオバケは すこしビクビク していましたが
ボクが こわがっていないことがわかると にっこり わらってくれました
「これからは きをつけてね!」
おつきさまがみえる よるになってから ボクはオバケを
にわから そとへつれていって くうちゅうにうかばせました
オバケはいっかいおおきくうなづくと
そのまま そらのうえへと とんでいきました
ボクは オバケをたすけることができて
とてもいいきぶんで おふとんにはいりました
つぎのひ
げんかんに たくさんの かえるや みみずが おかれていて
ママが ひめいを あげていました
あれは オバケが ボクにくれた おれい だったのかな?
おしまい
【台本集】 野山 翔 @sho_noyama
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