遠距離中の彼女と電話してたんだけどさ…後ろから声するよ?まさか浮気じゃないよね⁉︎
猫の集会
電話からなんか…
オレには彼女がいるんだけど、その彼女は一つ年下の大学生。
来年オレと同じく社会人になる彼女とは、来年にも同棲する予定だ。
だから今は遠距離中だけど、毎日マメに連絡を取り合っている。
おはようからおやすみまで、だいたい連絡しているのだ。
だからお互いの行動がほとんどわかるから安心…してたんだけどさ、なんか…なんか電話中バサバサってもの音がしたような気がしたんだよね。
だれかお友達来てる?ってきいたらいないよって言われてさ…。
それからもなんか電話してるとき後ろの方からゴニョゴニョって声がよく聞こえたんだよね…。
この前なんか…まさか…まさかの笑い声が電話越しから聞こえてしまって…。
隣人とか…じゃなくない⁉︎
なんか…なんかおかしくない?
オレは彼女が浮気しているなんて疑いたくない。よく大好きってオレに言ってくれるし。
でも…でもさ…やっぱり気になっちゃってさ。
…
つい彼女の一人暮らししている部屋の前に来てしまっていた。
…
部屋の明かりはついていた。
でさ…、やっぱり聞こえる。
「んもー、かわいい♡」
「ギャハハ」
「ちょっと〜、落ち着いて♡」
「ギャハハ」
と。
…
えと…お取り込み中じゃない?これは…
とりあえず電話してみることにした。
そしたら、普通に電話に出るんだよね。
で、普通に会話…。
してたらさ‼︎まさかの大好きって彼女じゃないだれがが電話越しに言ったんだよね。
あー…、やっぱりそうなりますか…。
…
オレはもう我慢の限界。
電話が繋がったまま携帯を握りしめて彼女の家のインターフォンを鳴らした。
すると、
「はい?どちら様ですか?」
と彼女が言うじゃありませんか。
なのでオレは、
「彼氏だけど。菜々の彼氏の陵太ですけど」
と言ってやった。
そしたら、ガチャっと鍵があいた。
「え、陵太〜、何?なんのサプライズ?」
と少し喜んでいる様子が伺える。
浮気相手きてるよね?
なぜにそんなに余裕なんでしょうね?
不思議に思いながら玄関の靴を確認。
…
ん?
靴…なくない?
一瞬で隠れた?
それとも逃げたの⁉︎
だから、菜々は余裕なの?
⁇
と思った矢先、
「大好き」
と部屋の奥から声がした。
大好きって…
彼氏のオレが来てんのにまだいうか‼︎と部屋に上がらせてもらった。
「どこ?」
とオレが聞くと彼女は、⁇な顔をしながら
「なにが?」
と聞いてきた。
「部屋に男、いるよね?」
と聞くとオレを指差す彼女。
…
するとまた
「大好き」
と聞こえた。
「ここの部屋…あけていい?」
「うん。でもそこ…」
彼女がまだ話し終えていないのにオレはガラッとドアをあけた。
そこにいたのは…
「大好き。大好き」
と羽をバサバサする鳥だった。
え…
「この鳥ね、友達から預かっててさ」
と言いながら鳥小屋を覗きこんだ。
「あー、鳥…」
「うん。この子さ、よくわたしが電話で大好きって陵太に言ってたら覚えちゃってさ…」
と、少し困った様子だった。
…
「ごめん‼︎オレ菜々がてっきり浮気してるんじゃないかって…ほんとごめん」
と謝った。
そしたら彼女は、にっこりして
「あいに来てくれたから許す」
といい、オレに抱きついた。
「ありがとう。菜々」
「うん。陵太大好きだよ」
と菜々がいうと、すかさず鳥も
「大好き」
って言った。
しかもこっちを見ながら。
「ふっ、この鳥かわいいな。菜々の次に」
「もう〜♡」
チュッ。
彼女にキスをしたら鳥がずっとこっちを見ていた。
なので、部屋の電気を消してそっとドアをしめた。
そしてイチャイチャしていたのだけど…鳥がギャハハと笑い出すからついオレたちも笑ってしまった。
おしまい♡
遠距離中の彼女と電話してたんだけどさ…後ろから声するよ?まさか浮気じゃないよね⁉︎ 猫の集会 @2066-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます