シーン56 ビューワー縦組み文字サイズ中推奨

「もっと読者に配慮した読みやすい文章を心がけて自己満足に走りすぎずセーブして言葉遊びを控えめにしてまず読んでもらえるような文体にしてからプラスアルファで個性を出していくべきだと思うの」『デバン ダナ』「あといくら一人称だからといってたったの一言で今までこの場面に姿を現していないいろはを」「焼き払えッ!」「登場させるなんて読者はきっとついてきてくれないし」『Dレーザー フルパワー ファイア』「いろはのメタ能力は作者ごと   いろはのライダーメットから放   去するっていう設定は確かにあ   たれた光線が、文字の群体を跡   い設定なのだからすんなり理解   形もなく消し飛ばす。道が拓け   だの作者の自己満足でしかないの  た。僕はこの好機を逃すまいと  はならないわ。小説という文字媒体  宙を蹴って前へ進む。とんだ弾  ミックは確かに視覚的には読者に驚  幕シューティングゲームだ。改  れどでもそれはただの一発ネタでし  行なんてしてる余裕はない。タ  の。再現性のない面白さに頼ってば  ーゲットとなる高嶺さんの顔が  るだなんておこがましいわ。だから  文字と文字の隙間、いろはが空  それも難しいわね。だって私はこれ  けてくれた風穴からちらりと見  れらは聞かれることも読まれることも  えた。泣きそうじゃないか  だってそんなことはわかっているの。で  苦しいんだな。今行く。い  笑いよね。私は文武両道や才色兼備だと  ろは、すまん。足蹴にする  くさん喋ってみてもこんな支離滅裂な文  ぞ。今の僕には、お前の大  くんはすごいわね。一人称でちゃんとそ  切な主人の元へと向かう推  述してきたんだもの。すごいわ。立派だ  進力が必要なんだ。僕はい  ああそういえば作品の粗という点でもう  ろはの胸部装甲に足を載せ  くんに好意を持っているという理由よ。第  力を込める。全力の跳  が並び替えると主人公になるっているコメデ  躍。渦巻く文字の中心  ったけれどあれは理由としてどうなのかしら  目掛けて身を投げる。  けの理由で納得してくれたのかしら。実を言  光線が減衰してきて閉  なにプロットの回収というミッションに頭を支  じそうだ。あと少  時は、ただの夢見る少女でしかなかったの。でも  し。僕はもがき、  つあなたのことが、その、好きになっていったの  足掻いて、手を伸  ら言えること。素面だったらとても恥ずかしくて  ばす。届け。高嶺  自分をダンゴムシだと卑下するけれど、ううん、全然  さんへと!  なたはお人好しで、頑固で、時々いじわるで、そして――」


 間に合った。


「ようやく、追いついたぞ、高嶺さん」

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