第8話

 春が来て、新しい環境に少し慣れた頃、あたしはここにいていいんだと、思えるようになった。ここは自然にあふれているけど、環境的にあたしは、なれた故郷を思い出してばかりだ。

 自然があふれていた故郷は、何の変哲のない田舎だった。そしてそこで七歳まで育

っていた幼少時代は、何のアレルギーも持っていなかった。だけど年を経るごとに、あたしは徐々にアレルギーなど、様々な体の変化と、付き合わなければならなくなった。だけどそれが当たり前だと、きっと離れている叔父や、母は言うだろう。仕方ないので、今は花粉症が発症しているから、あたしは外で何かすることが、出来なくなった。だけどそれでも、今は楽しい。

 自然の中で暮らして、時には公園まで行って、自然を堪能している。たまに不調になることも、また出て来た。だけど、あたしは目眩とふらつきを味会わなくなって、楽している。夜も起きていられるようになった。

 症状は改善していて、だから今は毎日が楽しい。苦しいこともあるけれど、これが当たり前なんだと思っている。

 心まで変わってくるのは、この自然のおかげだろうか。そんなことを思うようになって、当たり前にあったストレスは、もうなくなって来た。まだ若干あるけれど、仕方がないと思っている。

 今は好きな小説を、まだあまりかけない。でも自由の時間はあるし、ある程度お金を稼ぐことも必要だと思っている。

 あとは故郷に帰りたい。あたしの故郷は二つある。今は時々、第二の故郷を思い出す。とかいなかだった第二の故郷。当たり前に街のはずれに、渓谷があって、そして一時間もいけば、山の中に入って。

 車で一時間だから、かなりの都会だとは思っていた。高校に行っていたときは、そんなことは思わなかった。だけど都会だと思う。あたし的には。高校時代に、それを言った時は、どんな田舎だと笑われたけど。今では思い出深いことだった。

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