第7話
今日は鬼怒川に、ゴールデンウィーク初日の注意事項が、発表になった。初めてのゴールデンウィーク。春が来て、ここも真夏の暑さだった。でもあたしは相変わら
ず、足が痛くて。でも久しぶりにスカートをはいて、心は浮足立った。
このまま、あたしは少しずつ慣れていって、そして自然の多いあの故郷に立つのか、それとも育った場所に立つのか、それは解らない。ただスマホが欲しかった。少しでも作業出来たら、そう思わないでもない。
だけど心が浮足立ったからか、小説の練習は進んだ。でも一向に進まない。このままプロの作家になれないで、自分の小遣い稼ぎに働くのか。
それもいいかも知れない。また帰りたい。また友達と会いたい。そう思い、毎日考えながら、でも明日はあたしの出来ることをしたい。そう思っていた。
ただどうしてもあたしは、帰りたくて、自分の故郷に帰りたかった。故郷に帰って、叔父達に顔を見たいし、見せたい。それだけが望みだった。
あたしの故郷には、電車がない。だけどそれも汽車で行き来して、どうしても布部なところがあるから、一時間に一本だと、つらい時がある。
初めてのゴールデンウィークだったのは、前も同じだった。何度経験しても、ここにはいる意味はあるのか、と考えてしまう。誰も知り合いのいない、懐かしい故郷だった。だからあたしは、どうしてもあたしは想い馳せる時がある。
でも帰りたいと願っても、帰れないのは、仕方がない。だからこれから慣れていって、すこしずつお金をためて、帰るのはまだ先だと思っている。もう少し慣れてから、あたしは希望を出したいと思ってしまうのは、仕方のないことだと思っている。
まだ先だ。スマホを持ちたいとか、手紙を出したいとか、そんなことは休みの時だ。だからごめんね? もう少しかかると思うから。待ってて。
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