1話 パレードでの特定人物殺害方法 前編
突然だが、物語が始まる前に僕の持論を聞いてほしい。
『価値観』
それは、物の決定づける値のこと、または人それぞれの考え方を表す言葉。
それは、いつの時代にも存在し、何年も何年も永遠に変わるもの。
僕は価値観がとても恐ろしいものだと思う。
例を挙げると昔ではコロシアムというものがあり、『死』が娯楽になっていた。奴隷は人権はなく戦士として、富豪や王族等の命名に従い、殺し合いや凶悪な動物と戦う…………そんな見世物を楽しむ社会だった。
だが、その時代にはおかしなことではなく普通のことだったと認知されていた。
でも、今、この娯楽をすると、異常者か犯罪者になる。
【これが変化する価値観なのだ。】
このことから、僕は1つの結論にたどり着いた。
価値観とは周りに合わせ自分は普通であると言う証拠のようなものだと。
価値観の違いで人を善と悪に区別し、「あいつは価値観が合わないから仲良くなれない」と言う。
誰もが、価値観=普通だと思いこの社会を生きていく。
果たして、そんな人類にどんな終着点が来るのか……………………………………………
価値観の本当の意味は誰も理解していない。
そしてこの物語もまた、価値観に振り回せられる物語!!
僕、流空は学生の頃一人のケダモノを拾った。そのケダモノというのは社会では貴重で敬われる程のものだ。しかし、彼女は捨てられ、今は僕の家族になっている。
何故、彼女が捨てられていたのかは僕にはわからない…………………………………………
そして、今、僕は彼女は………………………
"ティータイム"をとっていた。
2024年7月2日
彼女の名前は黒河紫苑。
黒い短髪にぴょこんと出た可愛い耳と細長い黒の尻尾が付いている。
服装はというと、カラフルな缶バッチをつけた黒いパーカーにパーカーより薄い黒色のショートパンツを着ていた。
僕たちは、僕の母親の行きつけのカフェのウッドデッキで、お互いに大好きな紅茶を口にしている。テーブルには、色とりどりのお菓子が並べられていて、僕たちは会話を一つもしないこの空間が何故か楽しんでいた。
何故、僕たちは、こんなカフェで"ティータイム"をしているのかと言うと、紫苑の仕事である『探偵』の初仕事のため、依頼者をこのカフェで待っている。
僕たちが来て10分ぐらいだろうか、依頼者らしき、女性が僕たちのテーブルがあるところに座ってきた。
「あの〜、もしかして、探偵の方々ですか?」女性は喋った。
僕は「はい、そうです。」「依頼者の方ですか?」と答えた。
ちなみに紫苑は、口下手なので黙っている。
「それで、どんな依頼ですか?」と僕は聞く、すると「私、この前友達と遊園地に行ったんです。」「その日は友達の誕生日だったから、パレードが一番キレイに見える、VIP席を取って一緒に見てたんですけど…」
女は淡々と喋った。
「そのパレードの一番盛り上がるところが終わった直後、友達が急に倒れて、急いで駆け寄ると、皮膚が腐ってて、病院で診てもらうと、皮膚に毒がついてるって。」と女は言った。
「でも、私達以外近くに誰もいなかったですし、それにどうやって毒をかけのか私達はわからないので、警察にお願いしたんですけど、警察の方が私達の以外にも、毒がかかった人がいるって言ってて。」「もう、不思議で不思議で。」と女は悲しそうな不思議そうな何か悩んでいるような顔だった。
「なるほど、それは不思議ですね、お友達はどうなったんですか?」僕は聞く。
「友達は早めに、病院に行ったので解毒剤を打って助かりました。」と言う。
僕は「そうですか、良かったです。」と答えた。
「あの…」紫苑が言葉を発した。
「その…パレードの盛り上がる前に何か、ありました?」と聞いた。
「えーっと、特に何も。」と女は答えた。
「そうですか…」紫苑は、少し何かがわかった雰囲気を出していた。
「わかりました。その依頼、受けましょう。」と俺は言い、僕たちは依頼を受けた。
依頼者が帰り、僕たちも帰る前に、僕たちも帰ろうとしたその時、
「おそらく、毒は遅効性。」と紫苑は言った。
僕たちは次の日、その遊園地へと向かった。
相変わらず、開演前の遊園地には多くの人達が来ていた、僕たちは、ギュギュ押されていた。
紫苑にぶつかった。
「紫苑!ごめん。」
紫苑を見ると頬が少し赤く見えた。
なんやかんやあって、僕たちは遊園地の中へと入った。
とても、懐かしかった。
小学生以来、行ったことがなかったからか、僕はそう思った。
紫苑は、目をキラキラさせながら、辺りを見回していた。
紫苑は遊園地に来たことがないため、子供のようにワクワクしていた。
「少しパレードまで大分時間があるから、色んな乗り物に乗っていくか?紫苑」俺はそう、言った。
紫苑は少し考えたあと頬を赤くして、「うん…行く」と答えた。
僕たちは、パレードが始まるまでに色んな乗り物に乗った。
最後の方にはお互いに息を切らしていた。
そして、パレードの始まる時間になり、前日に取っておいた、VIP席に腰を掛ける。
僕たち以外にも私服警察らしき人たちが数名いた。
そして、パレードが幕を開けた。
キラキラと光が点滅し、キャラクターがダンスし、軽快な音楽が流れる。
シャボン玉や紙吹雪が空を舞い、観客みんなが笑顔だった。
紫苑もノリノリだった。
そして、例の盛り上がるところで、沢山のシャボン玉と紙吹雪がVIP席の横にある大砲で放たれる。
すると、バタンと音がなり、近くにいた私服警察が倒れた。
僕たちはすぐさま駆け寄った。
「大丈夫ですか!!しっかり!」
そして、その警官の顔にも腐った跡があった。
【後編へ続く!】
LLのパンドラボックス〘学生小説家と探偵系VTuberのケダモノ〙 私道ミハル @sakusakukuma
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