LLのパンドラボックス〘学生小説家と探偵系VTuberのケダモノ〙
私道ミハル
0話 急ぎ足の小説家と捨てられたケダモノ
雨が多く降る中、傘を差さないまま僕は急いでとある場所に向かっていた。
髪の毛や学生服がずぶ濡れだが、急いで向かわないといけない。
『僕は小説家だ。』
と、言っても今日からデビューだ。
今日は、家の近くにある大きな書店で、僕の書いた小説が発売されるため、いち早く見たいので足早に目的地へと向かった。
「ハァハァハァハァ」
少し走った後、僕は疲れたためゆっくりと歩いた。
すると、家と家の間にできる隙間から「どうして…どうして!!」と悲して大きな声が僕の耳に響いた。
その声を聞いた瞬間、僕の頭には書店に行くことよりも隙間を覗きたいという好奇心があった。
僕は恐る恐る、その隙間を覗いた。
そこには、黒い短髪のちょこんと小さな耳と尻尾が付いたケダモノがいた。
髪と服はボロボロで、体はここ数日は食べていないように見えるぐらいには痩せていた。そして、すぐ近くには胃液のようなものが水たまりのように溜まっていた。更にその近くに、周りの物で作った家のようなものがそこにはあった。
僕がケダモノに近づこうとそっと近づいた。
僕はケダモノの肩を少し触れた。
「ふぇーーーー!!」と言い、ケダモノは猫のように高く飛び、馬のように素早く家のようなものに隠れた。
僕は、驚きながらその家らしきものの中を見た。
ケダモノは丸まっていた、まるで『ねこ』のように。
僕は「脅かしちゃってごめんね、どうしてこんなところにいるのかな?」
僕の問いかけにケダモノは、「わ…私は、捨て……捨てられたから…ここ…にいる、私は主人から『愛』を貰えなかった。」
ケダモノは、それを言うと心が限界に達したのか、泣き始めた。
僕はそれを見て、「君、どこかに行く宛はあるの?」と聞くと、ケダモノは「無…無い」
僕は、少し考えた。
僕は『決意』をして、ケダモノに「行く宛が無いなら、僕のとこにくるか?丁度、アシスタントを雇いたかったし…それに、君が愛がほしいなら僕があげてやる。」と言った。
その提案にケダモノは、「いい…の?」と以外にもそう答えた。警戒されると思ったが、僕はその問いに「君さえ良ければ」と答えた。
僕は、カバンの中にあった折りたたみ傘を手に取りケダモノの上に差した。
僕たちは、一緒に家に向い、一緒に暮らすことになった。
彼女の名前は黒河紫苑と名付けた。
黒河は彼女の尻尾や髪の毛などを見てる時に思いついた。そして、紫苑は本来僕の小説の新主人公につける名前だ。
紫苑と出会ってから3年後、僕たちは成長し、僕たちは仲良くなった。
そして、紫苑は「探偵」に憧れてたらしく、それを探偵を仕事にした。
僕は付添人という形で紫苑をサポートする。
そして、とある女性の依頼から僕たちの物語が始まる。
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