世界征服
ムカデキングがゴキブリゴッドを倒した頃、日本国外の国々は、日本から発生した奇妙な天災に恐れをなしていた。既に各国では巨大ゴキブリが現れ、対処に手を焼いている。
巨大ゴキブリ達には、銃や刃物は効かず、彼らは戦車も蹴散らして人間達を食い荒らすのだった。
日本にはまだ、巨大なムカデ達が大量発生しているという。ムカデ達が海を越え、国外に出るのは時間の問題と思われた。
首脳会談が開かれ、全会一致で日本を切り捨てる判断となる。アメリカの大統領は、核のボタンを日本に向けて押した。
日本全土に核爆弾が投下され、焦土となった。草木は枯れ、人間を含む生き物は全滅。ムカデキングもこれまで、と思われた。
しかし、ムカデキングに核爆弾は効かなかった。それどころか、ますます体は巨大で強靭になり、眷属のムカデ達も同様に力を増した。
「人間の浅知恵よ!王であるこのムカデキングに通用すると思うてか!」
ムカデキングは嘲るように、そう叫んだ。
パワーアップしたムカデ達は海を越え、国外へ進出し始めた。人間達のかつて使っていた船や飛行機、それらが無くとも海を泳いで渡る事ができた。
ムカデ達の泳ぐ速度は、百㎞をゆうに超える。
ゴキブリゴッドを失ったゴキブリ達は、意気消沈していた。しかし日本でもそうであったが、ムカデとゴキブリ達は一先ず休戦し、先に人間達を片付ける事にしていた。
なので、ムカデ達はゴキブリ達は放っておき、人間達に襲い掛かる。ゴキブリ達もまた、共に人間を食い荒らし続けた。
ゴキブリ同様、ムカデ達にも刃物や銃は効かず、彼らは戦車をも蹴散らしていく。
成すすべも無く、地球上全ての人間は食い荒らされ、絶滅した。
ムカデキングは日本の、自分を祀る神社の在った場所に旗を立てた。
血のように真っ赤な生地、そこにムカデキング自身を表すかの様な、ムカデの絵。
ムカデキングの統治、天下。ムカデ帝国樹立の時であった。
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