かく語りき
「そうはさせぬ!この世界を、貴様の言いようにさせてたまるか!この地球は、この世界は唯一神である朕の治める、そして世界で最も高尚な生物であるゴキブリの繁栄するものとなるのだ!」
そう叫びながら、ゴキブリゴッドはムカデキングに向かって、再び全速力で走り出した。
ゴキブリゴッドの速度に追いつけなかったムカデキングは、飛び掛かったゴキブリゴッドを避ける事ができなかった。
ゴキブリゴッドは鋭い牙で、ムカデキングの頭部に食い付いた。ゴキブリゴッドの強靭な顎に支えられた牙は、振りほどこうとしてもなかなか抜けるものではない。
ムカデキングの頭部から、緑色の血がダラダラと流れた。
「うおおおお!この世界は…王であるこの、ムカデキングが統治するのだ!そして世界で最も高尚な生物である、ムカデの天下となる!してみせる!」
ムカデキングはそう叫びながら、尾を振り上げ、自らの頭部に食い付いて離れぬゴキブリゴッドの頭に、思い切り振り下ろした。
それでもゴキブリゴッドの牙は、ムカデキングの頭部から離れなかったが、ムカデキングは何度も尾で殴り続ける。
そして、何度目かの打擲の末にようやくゴキブリゴッドは叩き落とされ、地に落とされた。
叩き落されたゴキブリゴッドに、ムカデキングはすかさず尾の毒針を突き刺す。
この世のものとは思えぬ、ゴキブリゴッドの絶叫が地球上に響いた。
ゴキブリゴッドは硬直し、バタリとその場に倒れ、痙攣している。
ムカデキングはかく語りき
「神は死んだ!」
ムカデ達の喜びと祝福の声が鳴り響いた。
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