第208話 勉強会!
日曜日、10時北翔高校近くで待ち合わせ。
最初はいつものファミレスに…ってなったんだけど…
永瀬『今回は腰を据えてじっくりしよ?
絶対に宏介くんに勝って欲しいし!初の特進クラスになってからのテストだし!
私の家に来でやらない?』
…永瀬さんが提案してきたのは…永瀬家。
こうして永瀬さんの家にて勉強会が行われる事になった。
永瀬家は大きめな一軒家。ターミナル駅周辺は県内唯一の都会エリア。
お金持ちなんだろうなとは思っていたけど北翔に徒歩通学だもんね。
間違いなく地価は県内屈指のレベルなはず。
広めな庭にウッドデッキがあったり、停まってる車も遊び心ある高級車だったりきっとパパは超高級取りのおしゃれさんなんじゃ無い?って思わせる家の雰囲気と車種。
さて勉強会メンバーは
永瀬さん、二宮さん、高橋さん。
浩、俺、康司…そして田中くん。
永瀬『勝手に家の中で撮らないでよね?』
田中『撮らないよ!
…撮るならバレないように撮るし!
お前に興味無い!』
※撮っちゃいけません。
永瀬『…田なんとか君…出口はあちらですことよ?』
田中『…嫌いだわぁ。女の子に無視されることは多いけどこんなに敵意向けられる事無いよ?』
ピリピリしてる…!
このふたりなんとかならんのか?
…家には永瀬さんのママしか居なかった。
皆で挨拶すると、ゆっくりして行ってね?って優しい笑顔で言われた…。
永瀬さんのママらしく綺麗でスタイルの良い素敵なママさん…。
だけど少し影がある…そんな感じがした。
来客を通す部屋へ案内されて大きいテーブルに別室から持ってきたテーブルをくっ付けて7人の大所帯勉強会は始まる。
…浩と高橋さんは自然と隣り合わせで勉強している。
康司は大人しく…静かに勉強している。時々俺、田中くん、二宮さんに尋ねてくる…。
康司さ、先の一件以降すごい落ち着いて…正直凄く良い状態って思える…。
183話永瀬綾の男理論参照
https://kakuyomu.jp/works/16817330663085191362/episodes/16818093076853768416
問題は…俺を挟んで田中くんと永瀬さん…!
永瀬『…田井中くん?』
田中『井が多く無い?』
俺を挟んでピリピリするんやめて?
田中『宏介くん!数学しよう?』
永瀬『は?英語を強化したいって宏介くん前回言ってましたー?』
田中『…永瀬さんより僕の方が英語は点数良いはずだけどなー?』
永瀬『…お茶漬け出そうか?』
ピリピリを通り越してビリビリして来た…!
不幸な時間を過ごす俺たち。
高橋浩ペアは…
高橋『もう!浩くんたらぁ♪』
浩『…清香さんこそ!』
『『うふふふふ!』』
いつの間にか…浩は高橋さんを名前呼びするようになっていて…。
ああいうの…憧れる…現に横の康司…
見ないようにしてる!
…でもアレ見て俺も!とか言い出さない辺り康司良くなったよなぁって思う。
二宮さんニヤニヤしすぎ!
その光景を横目で見た永瀬さんは田中くんに申し出る。
永瀬『ふう、ケンカしてもしょうがないわ。
ねえ、田中くん?宏介君の為に仲良くしよう?』
田中『宏介くんの為なら…。』
田中くんは頷く。
田中くんは小心者なだけに少しキレやすいところもあるけど本来ケンカしないタイプの人。友達!って感じじゃ無くても…ケンカしないでくれたら…。
永瀬さんは田中くんに優しい目を向けて、
永瀬『今までのお詫びに紹介するよ?可愛い子。
成績優秀で…少しプライド高いけど気ままでポジティブ。
意志が強くて積極的な子。』
田中『え?いや…あの…。』
なんか話だけ聞いてると気が強そうなお嬢様タイプが思い浮かぶけど…
彼女欲しいは田中くんの悲願。
…先日高校進学を機に親の転勤で日本の反対側へ行った親友佐方君に彼女が出来てしょぼくれてた田中くん…田中永瀬間で友好条約が締結されたならその恩恵は計り知れない…。
田中くんも飛びついたりしないが…興味は強い。
…女子は男子より力関係や位置にうるさいところがある。
永瀬さん周りの女の子なら、多分それなりのレベルの女子が…いやかなりのレベルの女子が多いのは見てるとわかる…。
田中『…知ってる子?』
永瀬『知ってるよ!』
だれだ?田中くんも少し顔を赤らめ想像してる。
永瀬さんがぶぶー!時間切れ!
って言って答えを言う!
永瀬『五味子ちゃんって言うんだけど♡』
田中『お前も俺に男を紹介するのか!
しかも知ってる男!』
田中くん…男紹介されたの?
187話存在感? 参照
まあギスギスしているけれども田中くんと永瀬さんは競うように俺にキーポイントやチェック箇所を教えてくれる。
意外に勉強会はスムーズにすすんで行く…!
永瀬『小休止しよ!お茶淹れて来るね!』
永瀬さんが鼻歌交じりでキッチンにお茶を淹れに行く。二宮さんが私も手伝うー!って着いていく。
…おトイレ借りよう?トイレの場所を伺い、俺は離席する。
部屋数幾つあるんだろ?永瀬家は思ってたより豪邸。
永瀬ママ『あら?綾は?』
用たして部屋に戻る所で鉢合わせた永瀬ママ。
永瀬ママは学校では綾ってどんな感じ?そう聞いてきた。
俺は思ったまま、永瀬さんは成績優秀で部活も頑張って生徒会の仕事もバリバリこなす頑張り屋さんですって答えた。
永瀬ママ『司くんは元気?
最近はあんまり会えなくなったけど司くんは生徒会の会長してるの?』
永瀬ママは娘の環境が気になる様子。
一ノ瀬会長は永瀬さんの幼馴染って聞いている。
会長の活躍を少しお話しすると永瀬ママはうんうん頷いて、
永瀬ママ『…色々あったからね…家での行き来は無くなっちゃったけど…。
綾もつい最近までは『司くん!司くん!』って毎日うるさかったのにある日ぷっつり司くんの話しをしなくなっちゃってね?』
『…最近まで?』
永瀬ママ『そうそう。高校入学してしばらくは言ってたのにね?』
…幼馴染だもんね…。
何がそんなにショックなのか自分でもわからないけど胸に響いた。
…そうなんだ…でも幼馴染で一ノ瀬会長の容姿、能力、実績何を取っても男として魅力的。
なにが永瀬さんと一ノ瀬会長を隔てたのだろう?
俺はそれを…
永瀬『ママ!余計な事は言わないで!』
永瀬さんが慌てて飛び出して来て、永瀬ママを部屋に押し込み永瀬さんは、
永瀬『ママに何言われた?』
初めて見る、永瀬さんの思い詰めたような怖い顔だった…!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます