ネオンシティのカフェ

刹那明花

一日目 マスター

こんばんは。……えぇ?誰に言ってるんだって?この話を読んでいる画面の向こうの貴方へ、ですよ。私はこの レインシティ の、とあるカフェのマスターをしております。このカフェがレインシティの誰かのもう一つの居場所になれば、と思っているわけですが……


カラン カラン  ふいに軽く、少し可愛いとも思える音が店内に広がった


おっと、お客様がやってきましたね。良ければごゆっくり……

 

姿が見え、軽快な足音が聞こえる。すらっとしているがどこか無邪気な雰囲気だ、耳はピンと凛々しくエルフ特有のモノに見える


?:マスター、この席で大丈夫ー?

マスター:えぇ、お客さんが誰一人いないと逆に困りますよね、アリカさん。

アリカ:それはゴメンじゃーん!(泣) あ、いつものお願い!

マスター:ふふっ、それはそうと、本日は何かありましたか?


話を聞きながらマスターは手慣れたように いつもの を作り始めた


アリカ:そうなの、私……また就職試験落ちちゃったの!!!

マスター:なんでそんなに自慢げに... 

アリカ:だってねマスター……これで落ちた回数10回記念なのっ!

マスター:それは自慢になりませんよ、しばらくはコーヒーでも飲みながら試験の勉強をしてみては?

アリカ:私がコーヒー飲めないの知ってて言ってるでしょー、いじわる!


少ししてマスターの手が止まった


マスター:ははは、そんなこと言ってるうちにできましたよ、はい、いつもの ホットココアね。

アリカ:う~ん、カカオのいい香り!

マスター:(カカオは入れていないんですが...)

マスター:アリカさんはいつもおいしそうに飲むので作った甲斐がありますよ。

アリカ:んふふー! でしょ!


ホットココアを2口飲んだ辺りでアリカが困ったような顔で口を開いた


アリカ:そういえばさ、今日ボーナで人が刺されたらしいの、噂によると刺された人は借金地獄から抜け出すために闇金からお金を借りてカジノで一攫千金狙ってたらしいよ。物騒だねここ最近はサ。

マスター:まぁ、仕方ないですよ、この町はそういう所です。私たちの生活が危険に晒されるなら話は別ですが。

アリカ:私はしばらくママのスネを噛り続けるから安全だよ!安心して。


淡く青い、透き通った真剣な眼差しで彼女はマスターを見つめる


マスター:早く就職しないとまた私がここに泊める羽目になるので勘弁してくださいね。


マスターは目を細め、アリカをじっと見つめる


アリカ:あー!そうだった!家に帰ってやることがー!(棒)


カップの中はすでに空になっておりアリカはすっと立ち上がり、バッグを急いで手に持った


アリカ:今日はもう帰るね、マスターも今日は早めにお店閉めた方がいいかも!それじゃ!


カラン カラン 


マスター:やれやれ騒がしいお客さんだ。今日は早めに閉めようか


マスターはカップを片付け奥の部屋へ入っていった、そしてその数秒後、カフェも夜に包まれる



To Be Continued

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ネオンシティのカフェ 刹那明花 @MgMgMeikA

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